本記事では、成長株投資で有名なマーク・ミネルヴィニが提唱したチャートパターン、VCPについて解説します。
彼の著書、「ミネルヴィニの成長株投資法」で紹介されている手法です。
VCPを活用すればこれから株価が大きく上がる銘柄にうまくエントリーすることができるようになります。
マーク・ミネルヴィニは、ウィリアム・J・オニールと並んで評価されている著名な投資家で、彼の投資手法は多くの成長株投資家に影響を与えています。
僕自身もミネルヴィニの投資手法に大きく影響を受けました。
本記事で管理しているミネルヴィニ銘柄は、ミネルヴィニが提唱したトレンドテンプレートを参考にしています。
トレンドテンプレートで上昇局面にいる銘柄をピックアップして、そこからVCPを活用してエントリータイミングを探すと効率的に銘柄選定を行うことができます。
VCPとは?
まずはVCPの概要について確認しておきましょう。
VCPは、Volatility Contraction Patternの頭文字をとったもので、日本語ではボラティリティの低下パターンと呼ばれています。
私が従い、いつも実行しているひとつの共通性または聖杯があるとするなら、それはボラティリティ(株価の変動率)の低下という考え方だ。これは私がほぼすべてのトレードで探す、重要な特徴だ。ほぼすべての健全な値動き(機関投資家による買い集めの動き)に共通する特徴は、ベース内の特定の範囲で出来高を大幅に減らしつつ、ボラティリティが低下することだ。私はこれを示すために、VCP(ボラティリティの低下パターン)という考え方を使っている。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
VCPの特徴
次にVCPの特徴を細かく見ていきます。
ボラティリティ低下の回数は2回〜6回
ボラティリティの回数は通常2回から6回起きます。
一般的に言って、VCPのパターンが形成されてる間、ボラティリティの低下は通常、2回から6回起きる。(中略)株価のボラティリティが次第に低下すると同時に、ある時点で出来高が減少して、最終的にベースが完成したことがわかる。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
基本的にはほとんどの場合が2回から4回で、まれに5回、6回起きる場合もあります。
一般的にほとんどのVCPのセットアップは2〜4回のボラティリティの低下で形成されるが、5〜6回になることもときどきある。この値動きによってひとつのパターンが生まれて、ボラティリティの低下部分に似た形が生まれる。私はこれらの低下したところをTと呼んでいる。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
それぞれのパターンのイメージを図にしてみました。
ここでは2回から4回の例をまとめてます。
それぞれのボラティティの底の部分はTと呼ばれ、最初のTがT1、次がT2といった具合に割り振られていきます。
ボラティリティの低下はその前の押し幅の約半分になっていると良い
次にボラテリティの低下のスピードについてですが、これは前の押し幅の半分くらいになっているのが望ましいとのことです。
大まかに言うと、私は毎回のボラティリティの低下が、前の押し幅の約半分(か、その前後)になる銘柄を好む。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
ボラティリティの低下は強い投資家が弱いトレーダーを吸収する期間
次にボラティリティの低下が意味することについて考えていきます。
結論、強い投資家が弱いトレーダーを吸収する期間を表しています。
機関投資家による解集めが進んでいるとすれば、横ばいは強い投資家が弱いトレーダーを吸収する期間を表す。弱いトレーダーが取り除かれたら、わずかな需要でさえ取るに足らない売板を圧倒するので、供給不足によってその銘柄は急騰する。この水準は最小抵抗線(least resistance)と呼ばれる。横ばい圏での最高値から最安値までの値幅が狭く、終値同士の差も小さくて翌日の株価や翌週の株価にあまり変化がなければ、それは通常、健全な値動きである。それらの値動きが小さいところでは、出来高も大幅に減っているはずだ。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
オーバーヘッドサプライを見つけて最後の弱い保有者になる
オーバーヘッドサプライとは、損益分岐点近くで手仕舞いたがる投資家を指し、これを見つけることが重要になるとミネルヴィニは言っています。
ある銘柄が調整して下げ出すと、当然ながら、前の高値付近で買って含み損を抱えてしまう買い手が出てくる。窮地に陥った買い手は含み損の拡大に苦しみ、悩み、戻り売りをしようとする。時間がたち、含み損が膨らむほど、彼らの多くは損益ゼロになるだけで大喜びする。そのため、オーバーヘッドサプライ -損益分岐点近くで手仕舞いたがる投資家- が生まれる。彼らは急激な変動で苦しみはしたが、「損失もなく手仕舞えた」と考えて自尊心を満足させたいがために、早いうちに売ってしまおう、とやっきになっている。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
オーバーヘッドサプライの存在と、底値で拾って高値付近で利食いをしたいトレーダーの2つの売り圧力によってボラティリティが形成されていきます。
そしてここで機関投資家が関わっていると、VCPが形成されていくのです。
これら両方の売りによって、ベースの右側で押しが生じる。その銘柄が本当に機関投資家によって買い集められているのであれば、それらの供給は大口の買い手に吸収されていくので、ベースの左から右に向かって押し幅が浅くなるだろう。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
我々がエントリーすべきは、ボラティリティが小さくなって出来高が減少したタイミングです。
弱い保有者から強い保有者に代わる過程が終わるまで、その銘柄を買うのは待つべきだ。損切りのストップを置くトレーダーは弱い保有者である。カギは、最後の弱い保有者になることである。つまり、あなたが買う前に、他の弱い保有者が手仕舞うまで待った方がよいと言うことだ。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
出来高が大幅に減少して値動きも小さくなってきたら、売り圧力がほとんどない状態になっているので、そこから少しの需要が発生したら株価は急騰しやすい状態になっています。
健全な調整の目安は10〜35%
次に調整幅の目安についてです。
これは10%〜35%あたりが良いとされており、深すぎる場合には注意が必要です。
だが、私は60%以上も調整した銘柄は滅多に買わない。それほどの下落をする銘柄は、深刻な問題を示唆していることが多いからだ。健全なセットアップならば、ほとんどの場合、10〜35%の調整で終わる。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
ベース期間は3週間〜65週間と幅広い
最後に期間について見ていきます。
こちらは、短くて3週間から長くて65週間までとかなり幅広いです。
押しの深さによって、適切なベースの期間は、3週間から6週間までも続くことがある。株価の動きにVCPのパターンの特徴を満たすことという条件を課せば、売りが減って適切な買い場が生じそうな銘柄を見つけやすくなる。そういう銘柄を買えば、すぐに持続的な上昇が始まるだろう。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
3週間未満の短すぎる場合には十分な振るい落としがされていない可能性が高いので注意が必要です。
強い投資家が弱いトレーダーを吸収するためにはそれなりの期間が必要です。
まとめ
最後に、ここまでの内容を図にざっくりとまとめて見ました。
これで大事な部分は大体網羅できていると思います。
本記事では、成長株投資で有名なマーク・ミネルヴィニが提唱したチャートパターン、VCPについて解説しました。
VCPを活用すれば株価が急騰する銘柄にエントリーすることができるようになります。
さらに本記事でも利用しているトレンドテンプレートを組み合わせればさらに精度を高めることができます。
トレンドテンプレートの条件を満たす銘柄は、ミネルヴィニ銘柄で管理しているので是非ともご参照ください。
是非ともVCPを活用してみんなで爆益を狙っていきましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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