コラム

新規の大量保有報告書発表後の株価騰落率を調べてみる【2019年〜2022年のデータで検証】

本記事では新規の大量保有報告書発表後の株価騰落率について分析した結果をまとめます。

 

大量保有報告書に関するデータは本サイトでも発信しており、新規(保有率が新たに5%を超えたもの)、増加(保有率が1%以上増加したもの)、減少(保有率が1%以上減少したもの)の3つのカテゴリーに分けて記事にまとめています。

参考記事: 「大量保有報告書」の記事一覧

 

大量保有報告書を確認することで、機関投資家の動きを把握することができ、投資判断の材料に活用することができます。

僕が参考にしているウィリアム・J・オニールのCAN-SLIM投資法でも機関投資家の重要性について説明しています。

参考記事: 【オニールの成長株発掘法】CAN-SLIM投資法について解説

 

大量保有報告書の情報を確認することは簡単です。株探などのサイトでも簡単にみることができます。

しかし、大量保有報告書が発表されてから株価がどう動いたのかどうかについてまとめてくれているものは僕が調べた限りはありませんでした。(あったら教えて欲しいw)

発表してから1ヶ月後には株価が上がっていたのか、あるいは下がっていたのか、1年後にはどうなっていたのか、こういった情報はまとまっていません。

 

本記事ではこれについて調べてみました。大量保有報告書発表後の株価の動きについて調べてみました。

さらに機関投資家ごとにデータをまとめてパフォーマンスを比較してみました。

常に高い利益を上げている圧倒的にパフォーマンスの高い機関投資家もいくつか見つかりました。

こういった投資家の動きを追うだけでそこそこの利益が得られると思います。

 

今回の分析の条件を以下にまとめます。

 

分析条件

  • 対象は東証銘柄のみ
  • 大量保有報告書のカテゴリーは新規(新たに保有率が5%を超えたもの)だけに絞る
  • 2019年1月1日〜2022年12月31日に発表された大量保有報告書を対象とする
  • 1ヶ月を21営業日と定義して、大量保有報告書の発表から1ヶ月後(21営業日後)、3ヶ月後(63営業日後)、6ヶ月後(126営業日後)、12ヶ月後(252営業日後)の株価騰落率を計算する
  • 発表当日の終値を基準として株価騰落率を計算する(市場が閉まる15時以前と以後で分けない、全て当日終値で統一)
  • 提出者及び保有割合は「第4【提出者及び共同保有者に関する総括表】」から取得したものを使用する(最初の1つだけ使用する)

 

上記の条件に基づいてデータを収集して分析を行いました。

 

全体の主要統計値をまとめる

まずは全体の結果を見てみます。

大量保有報告書発表から1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後の株価騰落率の主要統計値をまとめました。

 

項目 株価騰落率(1ヶ月後) 株価騰落率(3ヶ月後) 株価騰落率(6ヶ月後) 株価騰落率(12ヶ月後)
個数 3,377個 3,377個 3,377個 3,375個
平均値 0.27% 2.31% 2.47% 6.85%
標準偏差 20.30% 68.21% 39.76% 63.75%
最小値 -58.36% -85.44% -80.37% -86.16%
第一四分位数 -7.19% -12.02% -16.38% -21.58%
第二四分位数 (中央値) -0.42% -0.80% -0.92% -1.90%
第三四分位数 5.02% 9.91% 14.09% 19.74%
最大値 280.02% 3566.93% 541.78% 1075.24%

 

 

全部で3,377個の新規の大量保有報告書がありました。

それらの株価騰落率を集計した結果、いずれの期間においても共通点があります。

 

ポイント

全期間において、

  • 平均値は僅かにプラス
  • 中央値は僅かにマイナス
  • 最大値が極端に高いために平均値がプラスになっている
  • 正規分布になっている

 

特に株価騰落率(3ヶ月後)の最大値は3566.93%ととんでもない数値ですね。

ちなみに各期間で最も上昇した銘柄は以下の通りでした。

  • 株価騰落率(1ヶ月後): 9360 鈴与シンワート株式会社
  • 株価騰落率(3ヶ月後): 3936 グローバルウェイ
  • 株価騰落率(6ヶ月後): 3856 Abalance株式会社
  • 株価騰落率(12ヶ月後): 3856 Abalance株式会社

 

どれも結構話題になった銘柄なので聞いたことある人は多いかもしれないですね。

 

保有者別のパフォーマンスを見る

次に少しブレイクダウンして、保有者(機関投資家も個人も含む)別のパフォーマンスをそれぞれの期間でみていきます。

 

ここではまぐれを排除するために、データが5つ以上ある(=5銘柄以上に投資している)保有者に絞りました。

その結果、対象となる保有者は全部で47個でした。

ランキングは中央値で判断していますが、結果にはデータ数と平均値も合わせて記載します。

平均値で見てもいいのですが、その場合1銘柄だけ極端に高い利益率を上げていると平均値を引き上げてしまいます。

僕の場合、継続的に利益を上げている保有者を見つけたい(そしてイナゴしたいw)という下心があったので中央値を採用しました。

 

株価騰落率(1ヶ月後)

まずは1ヶ月後の株価騰落率です。

 

順位 保有者 データ数 中央値 平均値
1位 アセットマネジメントOne株式会社 5 6.35% 4.12%
2位 三井住友アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長兼CEO 松下 隆史 5 5.77% 1.2%
3位 ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク 5 5.29% 4.32%
4位 モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー 20 4.26% 10.05%
5位 グランサム、マヨ、ヴァン オッテルロー アンド カンパニー エルエルシー 6 4.12% 4.33%
6位 エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー(Effissimo Capital Management Pte Ltd) 7 3.84% 5.92%
7位 エフエムアール エルエルシー(FMR LLC) 6 3.72% 4.2%
8位 レオス・キャピタルワークス株式会社 25 2.84% 3.57%
9位 NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC 5 2.48% 4.25%
10位 ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン株式会社 16 2.42% 10.14%
11位 重田 光時 27 2.38% 1.78%
12位 株式会社フラッグシップアセットマネジメント 5 2.36% -0.18%
13位 りそなアセットマネジメント株式会社 8 2.19% -0.92%
14位 株式会社りそな銀行 16 1.9% 1.17%
15位 VIS Advisors,LP 8 1.62% -2.54%
16位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役社長 有田 浩之 12 1.44% 1.32%
17位 三井住友信託銀行株式会社 36 1.42% 3.21%
18位 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 36 1.25% 1.8%
19位 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 182 0.91% 1.84%
20位 大和アセットマネジメント株式会社 23 0.78% 0.99%
21位 Oasis Management Company Ltd. 6 0.74% 4.34%
22位 野村證券株式会社 103 0.53% 1.15%
23位 ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社 30 0.5% -0.96%
24位 株式会社ヴァレックス・パートナーズ 11 0.5% 9.08%
25位 株式会社ストラテジックキャピタル 6 0.13% 1.13%
26位 光通信株式会社 9 0.08% -0.78%
27位 株式会社SBI証券 111 0.0% 5.34%
28位 野村アセットマネジメント株式会社 75 -0.15% 3.54%
29位 株式会社第四北越フィナンシャルグループ 11 -0.37% -1.81%
30位 株式会社第四北越銀行 9 -0.38% -1.37%
31位 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 431 -0.48% -0.23%
32位 マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社 19 -0.64% -2.18%
33位 大和証券株式会社 34 -1.35% 1.46%
34位 SMBC日興証券株式会社 198 -1.62% -0.78%
35位 株式会社麻生 8 -2.08% -1.06%
36位 スパークス・アセット・マネジメント株式会社 8 -2.17% -10.37%
37位 株式会社みずほ銀行 9 -2.29% -1.66%
38位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役会長 井澤 吉幸 7 -3.08% -3.02%
39位 ひびき・パース・アドバイザーズ株式会社 5 -3.16% -3.5%
40位 ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 6 -3.22% 3.07%
41位 株式会社ウィズ・パートナーズ 6 -3.38% -5.31%
42位 メリルリンチ日本証券株式会社 5 -3.51% -2.12%
43位 ユービーエス・エイ・ジー(銀行) 20 -4.84% -4.23%
44位 松井証券株式会社 12 -5.26% -5.91%
45位 株式会社 三井住友銀行 61 -5.49% -5.41%
46位 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 6 -7.81% -7.2%
47位 大和企業投資株式会社 5 -10.65% 14.74%

 

 

1位はアセットマネジメントOne株式会社でした。1ヶ月で6%を超える利益を取れてるのはすごいですね。

データ数を考慮するとモルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシーが20個で中央値が4.26%と安定感がある感じがします。

 

株価騰落率(3ヶ月後)

次に3ヶ月後の株価騰落率です。

 

順位 保有者 データ数 中央値 平均値
1位 大和企業投資株式会社 5 19.79% 27.76%
2位 グランサム、マヨ、ヴァン オッテルロー アンド カンパニー エルエルシー 6 14.61% 18.78%
3位 株式会社ウィズ・パートナーズ 6 12.98% 9.78%
4位 VIS Advisors,LP 8 12.92% 11.39%
5位 エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー(Effissimo Capital Management Pte Ltd) 7 12.44% 7.24%
6位 光通信株式会社 9 10.87% 6.73%
7位 NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC 5 10.32% 9.81%
8位 Oasis Management Company Ltd. 6 9.83% 17.22%
9位 アセットマネジメントOne株式会社 5 8.56% -0.05%
10位 ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 6 7.87% 9.86%
11位 ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社 30 7.76% 8.19%
12位 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 6 6.81% 78.49%
13位 株式会社りそな銀行 16 5.85% 3.1%
14位 エフエムアール エルエルシー(FMR LLC) 6 5.73% -0.12%
15位 ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン株式会社 16 5.25% 18.09%
16位 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 36 4.92% 5.29%
17位 株式会社ストラテジックキャピタル 6 3.34% 6.64%
18位 株式会社第四北越フィナンシャルグループ 11 3.31% 1.23%
19位 重田 光時 27 3.01% 6.74%
20位 大和アセットマネジメント株式会社 23 2.53% 0.98%
21位 三井住友信託銀行株式会社 36 2.28% 4.01%
22位 株式会社ヴァレックス・パートナーズ 11 2.06% 13.94%
23位 レオス・キャピタルワークス株式会社 25 1.31% 4.55%
24位 スパークス・アセット・マネジメント株式会社 8 1.02% -10.54%
25位 りそなアセットマネジメント株式会社 8 0.9% -1.07%
26位 野村アセットマネジメント株式会社 75 0.24% 2.4%
27位 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 182 -0.05% 2.84%
28位 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 431 -0.37% 0.11%
29位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役会長 井澤 吉幸 7 -0.45% 0.39%
30位 野村證券株式会社 103 -0.58% 2.6%
31位 SMBC日興証券株式会社 198 -1.42% 2.55%
32位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役社長 有田 浩之 12 -1.48% -0.79%
33位 株式会社SBI証券 111 -1.5% 35.97%
34位 株式会社麻生 8 -1.8% 1.79%
35位 モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー 20 -1.8% 2.52%
36位 株式会社みずほ銀行 9 -2.39% 1.21%
37位 株式会社第四北越銀行 9 -3.2% -2.45%
38位 ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク 5 -3.34% -5.59%
39位 株式会社フラッグシップアセットマネジメント 5 -3.68% -6.82%
40位 株式会社 三井住友銀行 61 -3.85% -0.26%
41位 メリルリンチ日本証券株式会社 5 -4.16% -12.97%
42位 ひびき・パース・アドバイザーズ株式会社 5 -5.4% -4.66%
43位 大和証券株式会社 34 -5.44% 3.54%
44位 マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社 19 -8.33% -4.05%
45位 ユービーエス・エイ・ジー(銀行) 20 -11.12% -5.75%
46位 三井住友アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長兼CEO 松下 隆史 5 -12.68% -4.77%
47位 松井証券株式会社 12 -14.02% -9.45%

 

3ヶ月になると騰落率が一気に上がりました。

1位は大和企業投資株式会社で中央値はおおよそ20%です。

3ヶ月で20%もの利益が取れたら申し分ないですね。

 

株価騰落率(6ヶ月後)

次に6ヶ月後の株価騰落率です。

 

順位 保有者 データ数 中央値 平均値
1位 大和企業投資株式会社 5 47.45% 23.24%
2位 NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC 5 37.66% 35.97%
3位 エフエムアール エルエルシー(FMR LLC) 6 19.87% 14.21%
4位 グランサム、マヨ、ヴァン オッテルロー アンド カンパニー エルエルシー 6 19.52% 17.03%
5位 Oasis Management Company Ltd. 6 19.08% 35.18%
6位 アセットマネジメントOne株式会社 5 17.16% 10.55%
7位 エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー(Effissimo Capital Management Pte Ltd) 7 16.1% 11.74%
8位 株式会社りそな銀行 16 15.87% 10.41%
9位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役会長 井澤 吉幸 7 14.19% 10.0%
10位 りそなアセットマネジメント株式会社 8 12.14% 14.5%
11位 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 6 9.04% 30.33%
12位 ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社 30 8.83% 13.02%
13位 VIS Advisors,LP 8 7.04% 21.62%
14位 ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン株式会社 16 6.92% 15.42%
15位 ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 6 6.9% 16.38%
16位 三井住友信託銀行株式会社 36 6.14% 7.6%
17位 重田 光時 27 6.12% 7.07%
18位 松井証券株式会社 12 5.92% 5.4%
19位 株式会社麻生 8 5.56% 1.8%
20位 モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー 20 5.02% 5.4%
21位 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 36 3.28% 4.88%
22位 株式会社第四北越フィナンシャルグループ 11 3.14% 2.69%
23位 野村アセットマネジメント株式会社 75 2.88% 5.97%
24位 レオス・キャピタルワークス株式会社 25 2.32% 7.37%
25位 株式会社ストラテジックキャピタル 6 2.22% 1.5%
26位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役社長 有田 浩之 12 2.17% 3.3%
27位 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 182 1.5% 6.29%
28位 SMBC日興証券株式会社 198 1.14% 4.5%
29位 大和アセットマネジメント株式会社 23 0.85% 2.58%
30位 光通信株式会社 9 0.0% 4.34%
31位 株式会社第四北越銀行 9 -0.2% -0.64%
32位 株式会社 三井住友銀行 61 -0.88% 3.21%
33位 株式会社SBI証券 111 -0.9% 12.73%
34位 野村證券株式会社 103 -1.47% 3.64%
35位 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 431 -1.54% 0.8%
36位 スパークス・アセット・マネジメント株式会社 8 -3.4% -11.64%
37位 株式会社みずほ銀行 9 -6.1% 3.48%
38位 株式会社ヴァレックス・パートナーズ 11 -6.29% 11.1%
39位 マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社 19 -6.67% -8.08%
40位 三井住友アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長兼CEO 松下 隆史 5 -7.16% -8.46%
41位 株式会社ウィズ・パートナーズ 6 -8.05% -10.37%
42位 ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク 5 -9.73% -12.01%
43位 メリルリンチ日本証券株式会社 5 -10.13% -25.21%
44位 ひびき・パース・アドバイザーズ株式会社 5 -13.61% -6.52%
45位 大和証券株式会社 34 -14.16% -7.06%
46位 ユービーエス・エイ・ジー(銀行) 20 -19.2% -19.21%
47位 株式会社フラッグシップアセットマネジメント 5 -34.27% -20.84%

 

 

さらに騰落率が大きくなりました。

ここでも1位は大和企業投資株式会社で中央値は47.45%とダントツ1位でした。

2位のNIPPON ACTIVE VALUE FUND PLCも37.66%とかなりの好成績です。

1位と2位で3位以下を突き放していますね。

 

株価騰落率(12ヶ月後)

最後に12ヶ月後の株価騰落率です。

 

順位 保有者 データ数 中央値 平均値
1位 NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC 5 55.97% 58.49%
2位 りそなアセットマネジメント株式会社 8 42.12% 52.67%
3位 エフエムアール エルエルシー(FMR LLC) 6 33.72% 33.42%
4位 VIS Advisors,LP 8 28.26% 23.26%
5位 Oasis Management Company Ltd. 6 27.99% 30.98%
6位 ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 6 24.51% 52.18%
7位 ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社 30 23.46% 22.61%
8位 グランサム、マヨ、ヴァン オッテルロー アンド カンパニー エルエルシー 6 22.84% 23.22%
9位 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 6 17.51% 11.1%
10位 株式会社りそな銀行 16 15.7% 24.33%
11位 三井住友信託銀行株式会社 36 13.66% 13.49%
12位 株式会社フラッグシップアセットマネジメント 5 12.04% 14.89%
13位 アセットマネジメントOne株式会社 5 11.78% 38.44%
14位 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 36 9.82% 13.69%
15位 レオス・キャピタルワークス株式会社 25 7.03% 20.42%
16位 ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン株式会社 16 6.3% 17.88%
17位 株式会社第四北越フィナンシャルグループ 11 5.83% 0.09%
18位 重田 光時 27 5.47% 11.92%
19位 株式会社みずほ銀行 9 3.24% 10.26%
20位 野村證券株式会社 103 2.93% 12.95%
21位 ひびき・パース・アドバイザーズ株式会社 5 2.81% -0.99%
22位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役会長 井澤 吉幸 7 2.2% 8.17%
23位 エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー(Effissimo Capital Management Pte Ltd) 7 2.01% 10.86%
24位 株式会社第四北越銀行 9 1.99% 7.31%
25位 株式会社麻生 8 1.29% 11.04%
26位 光通信株式会社 9 0.78% -1.32%
27位 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 182 0.64% 11.9%
28位 SMBC日興証券株式会社 198 0.49% 5.71%
29位 株式会社SBI証券 111 0.0% 48.52%
30位 野村アセットマネジメント株式会社 75 -0.12% 3.84%
31位 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 431 -1.27% 3.57%
32位 大和アセットマネジメント株式会社 23 -3.47% 0.66%
33位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役社長 有田 浩之 12 -3.82% 5.32%
34位 株式会社ヴァレックス・パートナーズ 11 -6.26% 15.11%
35位 スパークス・アセット・マネジメント株式会社 8 -6.63% -2.43%
36位 株式会社ストラテジックキャピタル 6 -7.06% 4.62%
37位 松井証券株式会社 12 -7.44% 11.87%
38位 マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社 19 -9.41% -7.27%
39位 モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー 20 -12.0% -3.62%
40位 株式会社ウィズ・パートナーズ 6 -12.84% -5.72%
41位 大和証券株式会社 34 -14.0% -1.61%
42位 株式会社 三井住友銀行 61 -16.23% -4.88%
43位 三井住友アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長兼CEO 松下 隆史 5 -17.36% -15.94%
44位 ユービーエス・エイ・ジー(銀行) 20 -27.1% -21.38%
45位 メリルリンチ日本証券株式会社 5 -29.42% -29.73%
46位 大和企業投資株式会社 5 -36.87% -24.81%
47位 ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク 5 -38.61% -38.94%

 

 

さらに騰落率が大きくなって、1位はNIPPON ACTIVE VALUE FUND PLCで中央値は55.97%になりました。

3ヶ月後と6ヶ月後で1位だった大和企業投資株式会社は46位に転落です。

これはそもそも保有期間が異なる感じがします。

 

大和企業投資株式会社は保有期間が1年未満で半年くらいを見込んでおり、NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLCは1年以上の長期投資を得意としている可能性があります。

こういった特徴を理解することも、今後の投資判断ではかなり有効になりそうです。

 

最強の保有者を決めてみる

最後に、最強の保有者(機関投資家も個人も含む)を決めてみたいと思います。

最強の保有者が大量保有報告書に登場すると大きなチャンスになります。

 

評価の方法はシンプルに、それぞれの期間ごとのランキングから計算してみたいと思います。

対象が全部で47個あるので、1位が47点、2位が46点、、、47位が1点みたいなイメージです。最大で188点です。

全期間の点数の合計でランキング化してみます。

 

もちろん、機関投資家によって保有期間が戦略によって異なってきますので、この結果を一概には鵜呑みにすることはできませんが、ちょっと面白そうなので出してみました。

完全に自己満用のデータになるので、参考程度にご参照ください。

 

順位 保有者 ポイント
1位 グランサム、マヨ、ヴァン オッテルロー アンド カンパニー エルエルシー 173
1位 NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC 173
3位 エフエムアール エルエルシー(FMR LLC) 165
4位 アセットマネジメントOne株式会社 163
5位 VIS Advisors,LP 156
6位 Oasis Management Company Ltd. 153
7位 エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー(Effissimo Capital Management Pte Ltd) 151
8位 株式会社りそな銀行 147
9位 りそなアセットマネジメント株式会社 142
10位 ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社 139
11位 ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン株式会社 137
12位 重田 光時 127
12位 三井住友信託銀行株式会社 127
14位 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 123
15位 レオス・キャピタルワークス株式会社 122
16位 ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 121
17位 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 114
18位 株式会社第四北越フィナンシャルグループ 106
19位 光通信株式会社 104
20位 大和企業投資株式会社 97
21位 モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー 94
21位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役会長 井澤 吉幸 94
23位 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 92
24位 大和アセットマネジメント株式会社 91
25位 株式会社ストラテジックキャピタル 89
26位 野村證券株式会社 86
27位 ブラックロック・ジャパン株式会社 代表取締役社長 有田 浩之 85
27位 野村アセットマネジメント株式会社 85
29位 株式会社フラッグシップアセットマネジメント 82
30位 株式会社麻生 79
31位 株式会社ヴァレックス・パートナーズ 74
32位 SMBC日興証券株式会社 71
33位 株式会社第四北越銀行 70
33位 株式会社SBI証券 70
35位 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 67
35位 株式会社ウィズ・パートナーズ 67
37位 株式会社みずほ銀行 63
38位 ハイツ・キャピタル・マネジメント・インク 62
39位 スパークス・アセット・マネジメント株式会社 61
39位 三井住友アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長兼CEO 松下 隆史 61
41位 ひびき・パース・アドバイザーズ株式会社 46
41位 松井証券株式会社 46
43位 マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社 39
44位 株式会社 三井住友銀行 33
45位 大和証券株式会社 30
46位 メリルリンチ日本証券株式会社 21
47位 ユービーエス・エイ・ジー(銀行) 14

 

 

1位は同点でグランサム、マヨ、ヴァン オッテルロー アンド カンパニー エルエルシーNIPPON ACTIVE VALUE FUND PLCでした。

最高で188点なので、100点満点換算で92点くらいですね。

このランキングの上位者がエントリーしたら乗っかってみるのもいいかもしれません。

 

成績トップ保有者の投資銘柄を確認する

最後に、上位5つの保有者が投資した銘柄とその結果について確認しておきます。

 

1位: グランサム、マヨ、ヴァン オッテルロー アンド カンパニー エルエルシー

まずはグランサム、マヨ、ヴァン オッテルロー アンド カンパニー エルエルシーです。

 

証券コード 会社名 提出日 株価騰落率(1ヶ月後) 株価騰落率(3ヶ月後) 株価騰落率(6ヶ月後) 株価騰落率(12ヶ月後)
7239 株式会社タチエス 2020/08/17 6.67% 29.04% 24.41% 51.75%
8923 トーセイ株式会社 2020/08/17 6.18% 14.48% 9.37% 24.17%
4617 中国塗料株式会社 2020/09/18 -7.23% -5.35% -3.85% -21.5%
6810 マクセルホールディングス株式会社 2020/09/25 2.05% 14.43% 30.45% 21.51%
3978 株式会社マクロミル 2020/12/09 -3.88% 45.32% 27.19% 43.45%
3107 ダイワボウホールディングス株式会社 2020/12/11 22.18% 14.74% 14.62% 19.94%

 

 

 

全て2020年にエントリーしている銘柄でした。

4617を除いて高い利益を上げていることがわかりますね。

6銘柄にエントリーして5銘柄でしっかりと利益をとっています。

勝率8割越えです。

 

1位: NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC

次にNIPPON ACTIVE VALUE FUND PLCです。

 

証券コード 会社名 提出日 株価騰落率(1ヶ月後) 株価騰落率(3ヶ月後) 株価騰落率(6ヶ月後) 株価騰落率(12ヶ月後)
6328 荏原実業株式会社 2020/10/16 20.09% 23.73% 55.06% 81.39%
9908 日本電計株式会社 2020/12/02 0.41% 10.32% 42.16% 55.97%
4326 株式会社インテージホールディングス 2020/12/17 2.5% 20.93% 37.66% 55.37%
6333 株式会社帝国電機製作所 2021/10/15 -4.23% -4.23% 8.79% 33.2%
5192 三ツ星ベルト株式会社 2021/12/08 2.48% -1.7% 36.17% 66.5%

 

 

こちらは合計で5銘柄に新規エントリーしていました。

6ヶ月後からは全銘柄でプラスになっていました。

1年後には最低でも33.2%、最高で81.39%の上昇という素晴らしい成績ですね。

勝率100%ですね。

 

3位: エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)

次にエフエムアール エルエルシー(FMR LLC)です。

 

証券コード 会社名 提出日 株価騰落率(1ヶ月後) 株価騰落率(3ヶ月後) 株価騰落率(6ヶ月後) 株価騰落率(12ヶ月後)
7741 HOYA株式会社 2020/11/09 0.88% 0.46% 6.25% 42.18%
3994 株式会社マネーフォワード 2022/02/07 10.87% -35.01% -24.95% -2.82%
9759 株式会社NSD 2022/02/22 3.97% 9.97% 14.32% 13.75%
4641 株式会社アルプス技研 2022/10/21 6.52% 11.44% 25.42% 25.27%
2163 株式会社アルトナー 2022/10/21 -0.5% 1.49% 33.8% 67.2%
1976 明星工業株式会社 2022/11/22 3.46% 10.93% 30.43% 54.91%

 

 

6銘柄に投資して5銘柄でプラス、マネーフォワードだけがマイナスでした。

こちらも勝率8割越えです。

 

4位: アセットマネジメントOne株式会社

次にアセットマネジメントOne株式会社です。

 

証券コード 会社名 提出日 株価騰落率(1ヶ月後) 株価騰落率(3ヶ月後) 株価騰落率(6ヶ月後) 株価騰落率(12ヶ月後)
6597 HPCシステムズ(株) 2021/10/22 -10.49% -43.79% -46.95% -45.18%
4377 (株)ワンキャリア 2022/02/22 27.8% 22.56% 42.35% 123.89%
6652 IDEC(株) 2022/07/07 7.25% 9.06% 5.65% 11.78%
4071 (株)プラスアルファ・コンサルティング 2022/11/22 6.35% 8.56% 17.16% 5.31%
6632 (株)JVCケンウッド 2022/12/07 -10.31% 3.35% 34.54% 96.39%

 

 

HPCシステムズだけは大きくマイナスになっていますが、それ以外の4銘柄は利益をとっています。

特にワンキャリアとJVCケンウッドはダブルバガーですね。

勝率は8割です。

 

5位: VIS Advisors,LP

最後にVIS Advisors,LPを見てみます。

 

証券コード 会社名 提出日 株価騰落率(1ヶ月後) 株価騰落率(3ヶ月後) 株価騰落率(6ヶ月後) 株価騰落率(12ヶ月後)
3179 シュッピン株式会社 2019/01/18 12.54% 11.67% 7.49% 55.76%
3276 日本管理センター株式会社 2019/02/01 -9.84% 14.17% 39.81% 62.18%
4845 株式会社スカラ 2020/03/03 -29.92% 29.92% 35.46% 24.54%
6086 シンメンテホールディングス株式会社 2020/09/28 -14.7% -21.89% -5.04% 31.97%
3804 株式会社システムディ 2020/09/28 12.39% 7.71% 6.59% -13.58%
9270 バリュエンスホールディングス株式会社株式会社 2022/02/09 0.89% 26.86% 95.57% 60.2%
4389 プロパティデータバンク株式会社 2022/05/20 5.96% 1.8% -8.96% -5.86%
4193 株式会社ファブリカコミュニケーションズ 2022/08/25 2.36% 20.91% 2.04% -29.15%

 

 

12ヶ月後の騰落率で見ると、8銘柄に投資して、5銘柄でプラス、3銘柄はマイナスという結果でした。

勝率は6割ちょっとくらいですね。

 

ここまでの内容を見ていると、大型株にエントリーしているケースはほぼほぼなさそうですね。

 

今回の分析からの学び

最後にここまでの分析から得られた知見をまとめておきます。

 

今回の分析からの学び

  • 全体のデータで見ると、どの期間においても騰落率はゼロ付近を中心とした正規分布になる。(勝敗は五分五分くらいになる)
  • 期間別で保有者の成績は結構変わる → 戦略によって保有期間の違うことが影響していそう。
  • 最強保有者がエントリーしている銘柄は、少数精鋭でかつ中小型株が中心になっている。
  • 最強保有者トップ4の勝率は8割越え。イナゴして1年放置してれば大体勝てる。
  • どんなに成績上位者でもマイナスになってる銘柄は存在するが、自分で取引を行う際には損切りをきちんとすれば損失はかなり小さく抑えることができる。

 

今後の課題

今後の課題としては、以下のことが挙げられますね。

完全に僕のメモ用です。いずれ実行したいです。

 

今後の課題

  • 2023年以降のデータも分析したい
    → 定期的にやるのは時間の無駄なので、毎日該当銘柄を自動計算して自動ニュースとして記事にできるようになればよさそう。計算結果はDBに保存していつでも分析・集計できるようにしておきたい。
  • 今回は新規のみを対象にして分析を行った。
    → 増加、減少の発表後の株価騰落率を見たい。第2弾としてこれも記事にまとめたいですね。
  • ランキングを自動更新するページを作りたい。
    → 都度都度集計して計算するのは面倒なので、毎日自動集計して保有者ランキング的な仕組みを作れたら最高です。

 

まとめ

本記事では新規の大量保有報告書発表後の株価騰落率について分析した結果をまとめました。

2019年〜2022年に発表された大量保有報告書(新規のみ)を対象に一定期間後の株価騰落率を計算して全体の傾向や保有者別の成績を出してみました。

 

高い確率で利益を出している保有者は、中小型株への投資が中心であり、投資銘柄数も少ない(5〜10銘柄程度)パターンが多いこともわかりました。

成績の高い保有者も出すことができました。

 

ここで分析した内容は今後の投資判断の材料にうまく活用できそうです。

特に上位5の保有者が新規でエントリーした際には、イナゴして1年放置していれば大体勝てそうな感じがします。

自分が投資を検討している銘柄で成績の良い機関投資家が新規でエントリーしていればいい投資判断の材料になりますね。

 

最後に、本サイトでは新しく発表された大量保有報告書のデータを毎日発信しています。

新規(保有率が新たに5%を超えたもの)、増加(保有率が1%以上増加したもの)、減少(保有率が1%以上減少したもの)の3つのカテゴリーに分けて記事にまとめています。

し成績の良い保有者がエントリーしているのが確認できたら我々もエントリーを検討してもいいのかもしれません。

参考記事: 「大量保有報告書」の記事一覧

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

続編もあるので合わせてご覧ください。

変更報告書発表後の株価騰落率を調べてみる【2019年〜2022年のデータで検証】

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