投資戦略

『オニールの成長株発掘法』要約と感想|CAN-SLIMを日本株で実践してわかったこと

オニールの成長株発掘法』は、僕が成長株投資を始めるきっかけになった1冊です。

 

社会人1~2年目の時に株式投資について興味を持っていろいろな本を読みましたが、その中でも最も影響を受けた本の1冊が『オニールの成長株発掘法』です。

 

この本で紹介されているCAN-SLIM投資法を日本株に適用する方法をいろいろ試しながら、今では独自にプログラムを開発して、スクリーニングやレポート作成などを自動化するところまでやっています。

 

本記事では、実践者の立場からこの本の要点と、読んでから実際に投資で使えるようになるまでに感じたことをまとめていきます。

 

この本を一言でいうと

著者のウィリアム・J・オニールは、過去100年以上の米国株データを分析して、大化け株に共通する7つの条件を見つけました。

それぞれ条件の頭文字を取ってCAN-SLIM投資法と呼ばれています。

この本はCAN-SLIM投資法を体系的にまとめた本です。

 

ポイントは、テクニカルとファンダメンタルの両方を考慮する投資スタイルをとっていることです。

通常はどちらかに寄りがちですが、オニールはどちらも重要と結論づけています。

 

どんなに業績がピカピカな銘柄でも、エントリータイミングを誤れば失敗します。

反対に、チャートの形が素晴らしくても、中身(業績)がないと株価上昇は続きません。

 

大化け株を狙うためには、テクニカルとファンダメンタルの両面からアプローチする必要があります。

本書では、業績で注目するポイントやチャートの見方など、いつ・何を・どう買うかを具体的に解説しています。

成長株投資のバイブルとして世界中で読まれている一冊です。

 

本の基本情報

書籍名 オニールの成長株発掘法【第4版】
著者 ウィリアム・J・オニール
出版社 パンローリング(ウィザードブックシリーズ)
ページ数 約600ページ
価格 約4,000円前後
難易度 中〜上級(投資初心者には重い)

 

CAN-SLIM:本書の核心を要約する

C — 当期四半期EPSの成長

CCurrent Quarterly Earningsの頭文字で、直近四半期のEPSが前年同期比で最低でも25%は成長していることです。

EPSだけでなく、売上高も一緒に成長していることが条件です。

特に加速度的にEPSの成長していることが望ましいです。

 

A — 年間EPSの成長

AAnnual Earnings Increasesの頭文字で、年間ベースのEPS成長率です。

四半期ベースの成長のみでなく、過去3年間の年間EPSが大きく増加(25%以上)していることも条件になります。

 

N — 新製品・新経営陣・新高値

NNew Products, New Management, New Highsの頭文字で、株価上昇の補助となるカタリスト(触媒)を指します。

これは、新製品や新サービス、経営陣の交代、産業環境の変化など、株価に大きく影響を及ぼす何かしらの変化が含まれます。

 

S — 需給関係(株数と出来高)

SSupply and Demandの頭文字で、供給を上回る大きな需要が必要になります。

特に注目するべき点は、ブレイクアウトする時に出来高が増加していることです。

 

L — 先導株か、出遅れ株か

LLeader or Laggardの頭文字で、市場を牽引するリーダー銘柄に投資することです。

リーダー銘柄はレラティブストレングス(RS)を利用することで確認することができます。

RS指数とは、他の銘柄と比較して相対的にどれだけ強い値動きをしているかを数値化した指標です。

 

I — 機関投資家の保有

IInstitutional Sponsorshipの頭文字で、優れた機関投資家に保有されているかを指します。

個人投資家だけの買い需要では大きな株価上昇は期待できません。

優秀な機関投資家からの買いがあるのかも大事なポイントになります。

 

M — 株式市場の方向性

MMarket Directionの頭文字で、市場の方向性を指し、CAN-SLIMの中で最も大事な要素と言えます。

どんなに素晴らしい銘柄を見つけても、市場の方向性が悪いと勝率は下がります。

市場動向がいい時にエントリーすることが大切です。

 

マーケットの動向を見るにあたっては、「売り抜け(ディストリビューション)」の検知が有効です。

4〜5週間で明確なディストリビューションが4〜5日発生すると、その後の市場はほぼ確実に下落に転じるとオニールは述べています。

 

📎 参考記事: CAN-SLIM投資法とは?7つの条件を日本株で解説

 

実際に読んで特に参考になった3つのポイント

1. チャートパターン(カップウィズハンドル)の実践的な解説

この本を読んで個人的に驚いたことが、チャートに見方についてかなりのページを割いているということです。

ファンダメンタルだけでは不十分で、エントリータイミングもきちんと見極める必要があるとオニールは述べています。

 

本書では、具体的なチャート例が100枚用意されており、どこでエントリーするべきかを具体的に書いてくれています。

特にカップウィズハンドルは、大化け株が上昇を始める前に繰り返し現れるパターンとして詳しく解説されています。

実際に日本株でもこのパターンが機能する場面は多く、僕自身のエントリー判断に大きな影響を与えてくれています。

 

📎 参考記事:  カップウィズハンドルとは?条件・見つけ方・エントリー方法を図解で解説

 

2. 損切りルール(買値から7〜8%)の明確さ

損切りの重要性についてもしっかりと書かれています。

むしろ損切りの方が大事かもしれません。

どんなに大きな利益を確定することができてもそれ以上の損失を被ってしまったらトータルではマイナスになります。

 

オニールは損小利大の重要性を強く主張しています。

この考え方を理解していれば、たとえ3勝1敗で勝率が25%だとしても、合計ではプラスに持っていくことも可能です。

 

具体的には買値から7~8%下落したら問答無用で損切りをすることが推奨されています。

余計な感情が入らないように、逆指値を入れておくことも勧められています。

 

最初のうちは、損切りは精神的なダメージが大きいです。

しかし、経験しているうちに損切りの重要性を肌で感じるようになります(涙)。

僕自身も損切りを渋って大ダメージを被ったことが何度かあります(涙涙涙)。

 

最初から実践できていればダメージも最小化できていたのですが、当時の僕には大ダメージを何度か喰らわないと損切りを身につけることができませんでした。。。

 

3. ディストリビューション(売り抜け日数)による相場判断

ディストリビューションについて知ることができたことも、本書から得た大きな学びの1つです。

日本語では売り抜けとも呼ばれ、株価が下落して尚且つ出来高が増加した日のことを指します。

ディストリビューションが一定期間で複数回発生すると株価が下落に転じる可能性が高いです。

 

ディストリビューションを把握しておくと、マーケットの下落を事前に察知することができるようになります。

 

📎 参考記事:  ディストリビューションの解説 → ディストリビューション(売り抜け)とは?

📎 参考記事:  毎日の状況確認 → 主要株価指数のディストリビューション状況(無料・毎日更新)

 

読む前に知っておきたい注意点

600ページ超の分厚さ — 通読には覚悟がいる

まず、『オニールの成長株発掘法』はめちゃくちゃ分厚いです。

 

全部で600ページ以上あります。その辺の辞書よりも分厚くて重たいです。

実際に読む際には最初から全部読むというよりかは、目次で全体像を確認してから気になるところから読んでいくのがいいと思います。

 

僕の場合はスクリーニングのためにファンダメンタルの部分から読んで、チャートは後回しにしたりしていました。

すでに何周も読んでいますが、今でも読むたびに発見があります。

 

そして紙の本は重たいので、紙とKindle両方で買いました。

家では紙で読んでいますが、通勤中とかに読みたくなった場合にはKindleで読んでいます。

 

事例がすべて米国株 — 日本株への読み替えが必要

本書で紹介されている銘柄は全て米国株です。

日本株については書かれていません。

 

オニール自身が過去100年分のデータを研究したのも、アメリカ株が対象です。

本書で紹介されているIBDのレラティブストレングスについてもアメリカ株のみで、日本株のデータがありません。

 

それでも、CAN-SLIM投資法は日本株でも十分に通用していると実践しながら感じています。

特にカップウィズハンドルはかなり当てはまる感覚があります。

 

初心者には難しい場合の代替ルート

オニールの本はとっても参考になります。

ただし、600ページはとても分厚い上に、これから投資を始める方にとってはかなり荷が重い本だと思います。

その場合は、DUKE。さんの『新高値ブレイク投資術』から読むことをお勧めします。

 

DUKE。さんもオニールの投資手法に影響を受けた方で、それを日本株に応用した独自の手法を作り上げています。

株探を利用した銘柄探しの具体的な方法なども紹介されているので、日本株でグロース株投資をしたい方にはとてもお勧めです。

 

この本の内容を日本株で実践する方法

ステップ1:CAN-SLIMの条件を満たす日本株を見つける

本書を読んで最初にやりたくなるのは「CAN-SLIMの条件に合う銘柄を探すこと」だと思います。

 

本サイトでは、CAN-SLIMの条件をプログラムで自動スクリーニングし、 直近四半期のEPS・売上高がともに前年同期比20%以上成長している銘柄を毎週更新しています。

→ オニール銘柄一覧を見る(無料)

 

ステップ2:レラティブストレングスで先導株を絞り込む

本書で繰り返し強調される「レラティブストレングス(RS)」は、 IBD(Investor's Business Daily)が独自に計算している指標で、日本では公式に提供されていません。

 

本サイトでは、独自のプログラムで日本株のレラティブストレングスを計算し、毎週公開しています。

→ 日本株でレラティブストレングスを計算する方法

 

ステップ3:ディストリビューション日数で相場の方向を確認する

CAN-SLIMの「M(市場の方向性)」を判断するために、 本サイトでは主要株価指数のディストリビューション日数を毎日無料で更新しています。

→ ディストリビューション状況を見る(無料・毎日更新)

 

ステップ4:日次・週次レポートで実践する(有料)

 会員プラン(月額880円)では、以下のデータで本書の手法を日本株で体系的に実践できます。

  • 日次レポート:52週高値を更新した銘柄、ブレイクアウト候補を毎日配信
  • 週次レポート:1週間を通して強かった銘柄を整理
  • スクリーニング結果:CAN-SLIMの条件で抽出した銘柄一覧

→ 提供データの一覧を見る

 

こんな人におすすめ / おすすめしない人

おすすめな人 おすすめしない人
  • 成長株投資を本気で学びたい人
  • チャート分析の根拠が欲しい人
  • 銘柄選定にルールを持ちたい人
  • 損切りのルールが作れない人

 

📎 参考記事: CAN-SLIMの概要を先に把握する → CAN-SLIM投資法とは?

 

よくある質問(FAQ)

Q. 第4版と旧版の違いは?

2010年以降のデータや事例が追加されている。

基本的なCAN-SLIMの考え方は同じだが、最新版を読むのがおすすめです。

わざわざ旧版を選ぶ理由はないです。

 

Q. 読む順番はどこからがいい?

全部通読が理想だが、個人的にはまずは第1章(CAN-SLIM総論)→ 第2章(C)→ チャートパターンの章を先に読むと実践に移りやすいと思います。

 

Q. ミネルヴィニの本とどっちを先に読むべき?

これは個人の好みによるところも多いですが、オニールから読むことをおすすめします。

ミネルヴィニの投資手法はオニールを参考にしている部分が多いので、参考元になっているオニールから読んだ方が綺麗に繋がる気がします。

 

Q. この本の内容を日本株で使えるツールはある?

本サイトでは、CAN-SLIMの条件に基づいたスクリーニングを毎週自動で実行し、 結果を無料で公開しています。

詳しくはオニール銘柄一覧をご覧ください。

 

まとめ

『オニールの成長株発掘法』は、分厚くて読むのに体力がいる本ですが、成長株投資をやるなら避けて通れない1冊です。

この本で学んだCAN-SLIMの考え方は、僕自身の投資スタイルの土台になっています。

 

本サイトでは、この本の手法を日本株に適用したスクリーニング結果を毎週更新しています。

本を読んだ方はぜひデータと組み合わせて実践してみてください。

 

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