レラティブストレングス(Relative Strength, 通称: RS)は、インベスターズ・ビジネス・デイリーで発表されている指標の1つです。
僕が日本株の投資手法で参考にしているオニールやミネルヴィニの投資手法でもとても重要視されている指標になります。
RSは「この銘柄をウォッチリストに入れるべきか?」を 瞬時に判断できる便利な道具です。
最終的な売買判断は別の指標と組み合わせますが、 まずはRSで候補を5分の1に絞り込めます(RS80以上を投資対象とする場合)
オニールのCAN-SLIMやミネルヴィニのトレンドテンプレートなどの運用と相性が良く、スクリーニングの入口としてかなり使いやすいです。
この記事では、RSの計算方法 → 見方 → 実戦での使い方までまとめます。
RS(レラティブストレングス)とは?
レラティブストレングス(Relative Strength, 通称: RS)はインベスターズ・ビジネス・デイリー(以下、IBD)が発表している指標の1つです。
IBDが独自に開発した指標であり、各銘柄の株価の動きが市場全体に比べてどれくらい良い動きをしているのかを表します。
レラティブストレングス指数とは、『インベスターズ・ビジネス・デイリー』紙が独自に開発した評価法で、ある特定の銘柄の値動きを市場の残りの銘柄の動きと過去52週間にわたり比較するものだ。そしてその評価として各銘柄に1〜99の数値が割り当てられる(99が最高)。例えば、レラティブストレングス指数が99の場合は、その銘柄の値動きは市場全体の99%の企業を上回ったことを意味している。レラティブストレングス指数が50の場合は、市場の銘柄の半分がその銘柄よりも良い動きをし、残りの半分が悪い動きだったことを意味する。
「オニールの成長株発掘法」より
上記の通り、RSは1〜99の数値で表現されます。
99は全体の99%より良い動きをしていることを意味しています。
レラティブストレングスを使えば、各銘柄の株価が市場全体の中でどれくらい良い動きをしているのかを判断することができます。
インベスターズ・ビジネス・デイリー(IBD)とは?
インベスターズ・ビジネス・デイリー (Investor's Business Daily, 通称: IBD)は、アメリカの投資情報サイトです。
日々の市場動向やオススメの投資銘柄など、様々な情報を発信しています。
インベスターズ・ビジネス・デイリーは投資に有益な様々な情報を得ることができるので、世界中の投資家から人気があります。
ただし、無料で見ることはできません。有料です。
そして、基本的にはアメリカ株を対象としているので、日本株の情報はありません。
RSを過信しないための注意点
僕の中では、RSは買いシグナルではなく、あくまでも監視候補を絞るためのフィルターとして使うのが基本です。
先に弱点を書いておきます。
ここを理解してないと、RSを過信してしまいます。
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地合いが悪いと、RSの見え方が変わる
相場全体が崩れている時は、RSが高くても普通に下がります。守備力の指標として見るなら有効ですが、買いの判断とは分けた方が良いです。 -
RSだけで買わない
RSが高い=買い、ではないです。
出来高、ベース形成(カップウィズハンドルやVCPっぽい動き)、高値更新などとセットで見ます。 -
最終的にはチャートと需給に戻る
RSは「候補を絞る」ため。最後の判断は別軸でやる、という割り切りが必要です。
2. RSの計算方法(僕のやり方)
レラティブストレングスの使いどころがわかったところで、実際に日本株でレラティブストレングスを計算していきます。
【大前提】RS(レラティブストレングス)の計算方法は公開されていない
まず大前提として、IBDのRS(Relative Price Strength / Relative Strength Rating)の計算方法は公式に公開されていません。(涙)
RSはIBDが独自に開発した指標で、数値自体を見るには有料会員が必要です。
さらに、仮に会員になってRSを確認できたとしても、「どう計算しているか」は分からないのが現状です。
【朗報】計算方法は有志が検証しており、一定の定番式がある
公式の計算式は非公開ですが、海外ではRSの算出方法を検証している人が多く、いくつかの候補が出ています。
IBD公式の説明としては、ざっくり次のような情報が読み取れます。
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RSは過去12ヶ月(約1年)の株価をもとに算出される
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複数の時点の株価(5ポイント)を使っている
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算出結果をランキング化し、上位1%を99、次の1%を98…のように1〜99でスコア化する
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5つの株価が取得できない上場1年未満の株のレラティブストレングスは1とする。
「1年で5ポイント」という前提から、直近・3ヶ月前・6ヶ月前・9ヶ月前・12ヶ月前あたりの株価を使っている可能性が高いと推測できます。
信憑性が高そうな計算式(よく引用される定番)
いくつか候補がある中で、複数サイトで繰り返し引用されていて定番になっている計算式がこちらです。(参考記事)
レラティブストレングスの計算方法
- 各銘柄に対して以下の計算式を適用します。
((((C - C63) / C63) * 0.4) + (((C - C126) / C126) * 0.2) + (((C - C189) / C189) * 0.2) + (((C - C252) / C252) * 0.2)) * 100
*Cは直近の株価、C63やC126はそれぞれ63営業日前(一四半期前)の株価と126営業日前(半年前)の株価を指す。 - 計算結果から数値の高い順に並べ、上位1%のレラティブ・ストレングスを99、次の1%を98、、、と割り振る。
この式のポイント:直近の動きをより重視している
この式は、直近(3ヶ月)の上昇率に 0.4、それ以前に 0.2 の重みを付けています。
つまり、直近の上昇を強く評価する設計です。
そのため、RSが高くなりやすいのは次のような銘柄です。
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継続的に上昇している銘柄
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長いレンジ相場から抜け出して上昇し始めた銘柄
3. RSの見方
RSが効く局面を、僕の感覚で整理します。
相場が上向きのとき
強い銘柄は、さらに買われやすいです。
「上がる相場で強い銘柄」は、そのまま監視候補の中心に置きます。
横ばいのとき
相対的な強さが目立つので、RSは使いやすいです。
指数がモタついている間も、底堅い銘柄を拾いやすい。
下落局面
守備力の高い銘柄を見つけやすいです。
ただし、買いは慎重にします。RSが高くても落ちる時は落ちます。
相場全体が弱い時は勝率も下がります。投資自体にも慎重になるべきです。
具体的にRSが高い銘柄に出やすい形
RSが高いと言っても、エントリータイミングは重要です。
具体的には、オニールのカップウィズハンドルやミネルヴィニのVCPやトレンドテンプレートと組み合わせて活用すると精度が上がります。
カップウィズハンドル
カップウィズハンドルは、カップを横から見たような形をしているためにそう呼ばれています。
オニールの投資手法で紹介されているチャートパターンです。
カップ部分から上抜けたところがエントリーポイントになります。

VCP
VCPは、ミネルヴィニが提唱しているチャートパターンで、ボラティリティを徐々に下げながら株価が収縮していく動きを指します。
ここから抜け出したところがエントリーポイントです。

トレンドテンプレート
ミネルヴィニによれば、株価は以下の4つのステージからなり、投資するべきは第2ステージの上昇局面です。
株価を形成する4つのステージ
- 第1ステージ:底固め局面 無関心
- 第2ステージ:上昇局面 機関投資家の買い集め
- 第3ステージ:天井圏 機関投資家の売り抜け
- 第4ステージ:下落局面 投げ売り
ミネルヴィニのトレンドテンプレートを活用すれば、第2ステージにいる可能性の高い銘柄を抽出することができます。
トレンドテンプレートの条件は以下の通りです。
- 現在の株価が150日(30週)と200日(40週)の移動平均線を上回っている。
- 150日移動平均線は200日移動平均線を上回っている。
- 200日移動平均線は少なくとも1ヶ月上昇トレンドにある。
- 50日(10週)移動平均線は150日移動平均線と200日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は50日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は52週安値よりも、少なくとも30%高い。
- 現在の株価は52週高値から少なくとも25%以内にある。
- レラティブストレングスのランキングは70%以上、望ましくは80台か90台である。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
実戦:僕の使い方
RSは「計算できる」だけだと意味が薄くて、結局は運用に落とせるかが重要です。
僕はこんな流れで回しています。
実際には順番通りではない場合も多々ありますが、だいたいこんな感じです。
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まずRS上位を抽出
ここで候補を絞ります。銘柄数は多くても追えないので、まず減らす。 -
52週高値更新や出来高増の有無を見る
強い銘柄が「強い動き」をしているか確認します。 -
ベース形成(カップウィズハンドル/VCPっぽい動き)を確認
「上がった」より「上がりそう」を拾いたいので、形を見ます。 -
決算日や需給イベントをチェック
決算が近いとリスクが高いので決算後の反応を待って最終的な投資判断をする場合もあります。 -
監視リスト入り→ブレイク待ち
ここまで来て初めて「監視」に入ります。日々の動きをチェックしてタイミングを見計います。
このルーティンで一番面倒なのが、正直「毎回集計して候補を更新する部分」です。
やってみると分かりますが、結構めんどいです。
僕の場合、プログラムでシステム化してこの作業の一部を自動化しています。
RSを「使える形」で欲しい人向け(有料)
RSの考え方自体はシンプルですが、日本株で適用するのであれば自分で計算する必要があります。
一部は本サイトで無料公開しています。ただ実際に使うのは大変です。
さらにここから銘柄を絞り込んでいくとなると結構な作業量になります。
この作業を省略したい人向けに有料記事を提供しています。
有料記事はいろいろありますが、ここでは3つだけ簡単にご紹介します。(有料記事一覧はこちら)
① 日次・週次レポート
RSを条件に入れて、監視候補や変化点(ブレイク系)を拾う形式です。
「毎回自分で集計しなくていい」が一番の価値です。更新が継続するので、購読の意味も作りやすい。
日次レポートと週次レポートは少しだけスクリーニング条件が異なりますがアウトプットは似ています。
日次レポートのサンプルがこちらです。

PDF形式で、チャートや業績などの情報をまとめています。
日次レポートは株式市場が開いている日、週次レポートは毎週土曜日に提供しています。
② Excel(Raw Data:過去3ヶ月のRS推移)
「自分で検証したい」「ルールを組みたい」人向けに、RSのデータを含むExcelデータも提供しています。
メインの「監視銘柄テクノファンダ指標まとめ」シートでは、スクリーニングに役立つRSデータを含む57カラムのデータを提供しています。
提供しているExcelファイルには、過去3ヶ月分のRSデータが含まれています。
- RS_最新
- RS_1週間平均
- RS_1ヶ月平均
- RS_3ヶ月平均
- 【付録】として過去3ヶ月分の各銘柄の日別のRS
③ ブレイク系(RS併記の具体例)
RSが高い銘柄のブレイク候補を拾うのは相性が良いです。
日次/週次レポートの補助として、このようなアウトプットも出しています。
新高値ブレイクの抽出条件はこちらです。
新高値ブレイクの条件
- 52週高値更新
- 前回の52週高値更新から7〜65週経過している
一定期間以上を経過してから52週高値を更新した銘柄は、何かしらの変化が起きている場合が多いです。
レンジからブレイクしているパターンも多く見られます。
週足チャートのブレイク銘柄では2つの条件で銘柄を抽出しています。
週足チャートのブレイク銘柄のスクリーニング条件
- シグナル1: 52週高値更新 & 52週出来高更新(全85銘柄)
- シグナル2: 52週高値更新 & 出来高>SMA10 & 出来高前週比>0%(全640銘柄)
出来高を加味することでインパクトのあるブレイクを効率的に抽出しています。
6. よくある質問
Q. どんな人向け?
自分で判断したい人向けです。
「銘柄を当ててほしい」よりも、監視と判断の型を作りたい人の方が合います。
Q. 初心者でも使える?
見るべきポイントを揃えれば使えます。
ただ、結局は自分で判断する必要があるので、最初は記事の内容をそのまま真似するところからでOKです。
Q. いつ解約できる?
いつでも解約できます。
Q. 更新頻度は?
日次レポートは日次、週次レポートは週次です。
詳細は提供データ一覧をご覧ください。
7. まとめ
RSは「強い銘柄を見つける」というより、候補を絞るための道具です。
RS単体ではなく、他の指標と組み合わせて使うことで精度を上げることができます。
僕の場合は、RSをスクリーニングの入口にして、
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RS上位を抽出
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出来高・高値更新・ベース形成で残す(同時に業績推移も見てます)
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監視リストに入れてブレイク待ち
という運用に落としています。
銘柄探しや銘柄管理は手間がかかります。
僕は本業をしながら投資をしている兼業投資家です。
毎日投資に費やせる時間は限られています。
したがって一部のプロセスを自動化して効率化しています。
RSは市場で活発な銘柄を探すために便利な指標です。
是非とも活用してみてください。
参考本