本記事では、2023年に最も株価が上昇した50銘柄をピックアップして特徴を分析していきます。
今後の投資において、株価が大きく上昇する銘柄を見極めるための判断材料になればと思っています。
銘柄抽出の条件
- 対象銘柄は東証のみ
- 2023年12月29日の終値と2022年12月30日の終値から上昇率を計算して上位50銘柄を抽出
2023年株価上昇率トップ50
まずは結果一覧です。
2023年に株価は最も上昇した銘柄はこちらの50銘柄です。
順位 | 証券コード | 銘柄名 | 上昇率 | 市場 | 33業種 | 時価総額 |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 6016 | ジャパンエンジンコーポレーション | 483% | スタンダード | 輸送用機器 | 201億円 |
2位 | 9252 | ラストワンマイル | 377% | グロース | サービス業 | 103億円 |
3位 | 4011 | ヘッドウォータース | 352% | グロース | 情報・通信業 | 149億円 |
4位 | 6227 | AIメカテック | 345% | スタンダード | 機械 | 355億円 |
5位 | 3778 | さくらインターネット | 343% | プライム | 情報・通信業 | 831億円 |
6位 | 6315 | TOWA | 321% | プライム | 機械 | 1,786億円 |
7位 | 5337 | ダントーホールディングス | 316% | スタンダード | ガラス・土石製品 | 304億円 |
8位 | 6627 | テラプローブ | 305% | スタンダード | 電気機器 | 612億円 |
9位 | 7018 | 内海造船 | 294% | スタンダード | 輸送用機器 | 107億円 |
10位 | 3041 | ビューティ花壇 | 272% | スタンダード | 卸売業 | 52億円 |
11位 | 6228 | ジェイ・イー・ティ | 271% | スタンダード | 機械 | 476億円 |
12位 | 9560 | プログリット | 270% | グロース | サービス業 | 108億円 |
13位 | 6254 | 野村マイクロ・サイエンス | 263% | プライム | 機械 | 1,516億円 |
14位 | 7578 | ニチリョク | 255% | スタンダード | 小売業 | 64億円 |
15位 | 6677 | エスケーエレクトロニクス | 237% | スタンダード | 電気機器 | 434億円 |
16位 | 3399 | 丸千代山岡家 | 235% | スタンダード | 小売業 | 214億円 |
17位 | 6862 | ミナトホールディングス | 232% | スタンダード | 電気機器 | 108億円 |
18位 | 7014 | 名村造船所 | 226% | スタンダード | 輸送用機器 | 878億円 |
19位 | 2708 | 久世 | 223% | スタンダード | 卸売業 | 112億円 |
20位 | 1773 | ワイ・ティー・エル・コーポレーション・バーハッド | 222% | プライム | 建設業 | 6,393億円 |
21位 | 3133 | 海帆 | 219% | グロース | 小売業 | 392億円 |
22位 | 3945 | スーパーバッグ | 218% | スタンダード | パルプ・紙 | 41億円 |
23位 | 2323 | fonfun | 216% | スタンダード | 情報・通信業 | 32億円 |
24位 | 4492 | ゼネテック | 214% | スタンダード | 情報・通信業 | 21億円 |
25位 | 6961 | エンプラス | 210% | プライム | 電気機器 | 1,168億円 |
26位 | 7059 | コプロ・ホールディングス | 207% | プライム | サービス業 | 152億円 |
27位 | 9268 | オプティマスグループ | 201% | スタンダード | 卸売業 | 410億円 |
28位 | 5445 | 東京鐵鋼 | 189% | プライム | 鉄鋼 | 386億円 |
29位 | 7927 | ムトー精工 | 189% | スタンダード | 化学 | 144億円 |
30位 | 3840 | パス | 189% | スタンダード | 情報・通信業 | 85億円 |
31位 | 7317 | 松屋アールアンドディ | 187% | グロース | 輸送用機器 | 162億円 |
32位 | 2998 | クリアル | 184% | グロース | 不動産業 | 301億円 |
33位 | 5406 | 神戸製鋼所 | 184% | プライム | 鉄鋼 | 7,231億円 |
34位 | 7735 | SCREENホールディングス | 182% | プライム | 電気機器 | 6,060億円 |
35位 | 6871 | 日本マイクロニクス | 181% | プライム | 電気機器 | 1,469億円 |
36位 | 1514 | 住石ホールディングス | 178% | スタンダード | 鉱業 | 645億円 |
37位 | 7130 | ヤマエグループホールディングス | 161% | プライム | 卸売業 | 905億円 |
38位 | 2820 | やまみ | 161% | スタンダード | 食料品 | 246億円 |
39位 | 5285 | ヤマックス | 157% | スタンダード | ガラス・土石製品 | 129億円 |
40位 | 4264 | セキュア | 156% | グロース | 情報・通信業 | 74億円 |
41位 | 6026 | GMO TECH | 153% | グロース | サービス業 | 45億円 |
42位 | 5210 | 日本山村硝子 | 153% | スタンダード | ガラス・土石製品 | 156億円 |
43位 | 4046 | 大阪ソーダ | 152% | プライム | 化学 | 2,588億円 |
44位 | 7388 | FPパートナー | 150% | プライム | 保険業 | 1,194億円 |
45位 | 6121 | TAKISAWA | 147% | スタンダード | 機械 | 171億円 |
46位 | 9522 | リニューアブル・ジャパン | 145% | グロース | 電気・ガス業 | 353億円 |
47位 | 8890 | レーサム | 145% | スタンダード | 不動産業 | 932億円 |
48位 | 6231 | 木村工機 | 144% | スタンダード | 機械 | 121億円 |
49位 | 2970 | グッドライフカンパニー | 143% | スタンダード | 不動産業 | 66億円 |
50位 | 3004 | 神栄 | 141% | スタンダード | 卸売業 | 79億円 |
最後の50位でも上昇率は141%と軽く2倍は超えています。
こういった銘柄にエントリーすることができれば大きな利益を取れましたね。
僕が提供しているnoteのレポートでも登場しているいくつか結構ありました。
覚えているものをいくつか挙げると、さくらインターネット、TOWA、テラプローブ、松屋アールアンドディ、fonfun、ムトー精工、やまみ、グッドライフカンパニー、神栄などです。
結構ありますね。
区分別で集計してみる
次に先ほどご紹介した上位50銘柄を区分別で集計してみます。
市場区分
まずは市場区分別に集計します。
市場 | count |
---|---|
スタンダード | 28 |
プライム | 13 |
グロース | 9 |
スタンダードが一番多くて28個です。全体の半分以上を占めています。
次にプライム、最後にグロースという結果でした。
2023年のグロース市場は厳しかったですね。。。
33業種区分
次に33業種区分別に集計します。
33業種 | count |
---|---|
電気機器 | 6 |
情報・通信業 | 6 |
機械 | 6 |
卸売業 | 5 |
サービス業 | 4 |
輸送用機器 | 4 |
ガラス・土石製品 | 3 |
不動産業 | 3 |
小売業 | 3 |
化学 | 2 |
鉄鋼 | 2 |
鉱業 | 1 |
電気・ガス業 | 1 |
建設業 | 1 |
保険業 | 1 |
パルプ・紙 | 1 |
食料品 | 1 |
1位が同率で3つありまして、電気機器、情報・通信業、機械でした。
2位が卸売業、3位がサービス業と輸送用機器と並びます。
時価総額でみてみる
次に時価総額でみてみます。
2023年12月29日時点の時価総額を集計してみます。
平均値や中央値などの基礎的な統計値を計算しました。
項目 | 値 |
---|---|
個数 | 50個 |
平均値 | 811億円 |
標準偏差 | 1,563億円 |
最小値 | 21億円 |
第一四分位数 | 108億円 |
第二四分位数 (中央値) | 230億円 |
第三四分位数 | 784億円 |
最大値 | 7,231億円 |
平均値は811億円ですが標準偏差が1,563億円なのでかなりばらつきが多いことがわかります。
ただ、中央値で見ると230億円で、さらに第三四分位数は784億円です。
つまり全体の75%は時価総額1,000億円未満です。
集計したら時価総額1,000億円を超えていたものは9銘柄だけでした。
残りの41銘柄は1,000億円未満です。
株価が大きく上昇するのは時価総額の比較的に小さい小型株であることがわかります。
しかもこれらは2023年12月29日時点の時価総額なので、2022年12月30日時点ではこれの半分未満であることになります。
テーマでみてみる
次にテーマで集計してみます。
上位50銘柄はどのようなテーマ株であることを知ることで2023年のトレンドを把握することができます。
データ数が多すぎるので、該当銘柄が3つ以上あるテーマに絞りました。
テーマ | count |
---|---|
半導体製造装置 | 8 |
中国関連 | 8 |
半導体 | 7 |
あえてスタンダード | 7 |
台湾関連 | 6 |
自動車部材・部品 | 6 |
建設資材 | 6 |
液晶製造装置 | 6 |
ソフト・システム開発 | 6 |
IT関連 | 5 |
生成AI | 5 |
水素 | 4 |
物流 | 4 |
電気機器 | 4 |
2020年のIPO | 4 |
IoT | 4 |
機械 | 4 |
2021年のIPO | 4 |
有機EL製造装置 | 4 |
サービス業 | 4 |
建設機械 | 3 |
不動産関連 | 3 |
円安メリット | 3 |
Society5.0 | 3 |
プラスチック成形 | 3 |
防災 | 3 |
不動産投資 | 3 |
2022年のIPO | 3 |
5G | 3 |
スマートフォン | 3 |
船舶 | 3 |
パワー半導体 | 3 |
卸売り | 3 |
メンテナンス | 3 |
韓国関連 | 3 |
半導体と中国関連が同率1位の8銘柄でした。
半導体も2位で、台湾関連も半導体銘柄を多く含むので、全体的に半導体関連銘柄が大きく上昇したことが見て取れます。
こういうトレンドを把握することができればうまく波乗りできるのではないでしょうか。
本サイトでは、テーマ別の株価騰落率を集計して記事にしているので是非ともご参考ください。
レラティブストレングス
最後にレラティブストレングスを見てみます。
レラティブストレングスは、株価がどれくらい活発に動いているかを示す指標です。
1〜99の整数で示され、たとえば99であれば市場全体の99%の銘柄よりも活発に動いていることを示しています。
僕が参考にしているオニールやミネルヴィニの投資手法ではレラティブストレングスが高い銘柄に投資すべきと言っています。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
-
【一部無料公開】日本株でレラティブストレングスを計算する
続きを見る
本サイトでは独自のロジックでレラティブストレングスを日本株で計算しています。
その独自データを使って、2023年12月29日時点の50銘柄のレラティブストレングスの統計値を集計しました。
項目 | 値 |
---|---|
個数 | 50 |
平均値 | 97 |
標準偏差 | 3 |
最小値 | 79 |
第一四分位数 | 98 |
第二四分位数 (中央値) | 99 |
第三四分位数 | 99 |
最大値 | 99 |
平均値で97、中央値でも98ととても高い数値になりました。
最小値でも79です。
レラティブストレングスが高い銘柄を探すことで、活発に株価が動いている銘柄を効率的にピックアップすることができます。
80を超えたあたりからエントリーしても十分な利益を取ることができるかと思います。
今後の投資戦略のためにも、レラティブストレングスの分析はもう少し突っ込んで今後やってみたいですね。
とりあえず今日のところはここまでにしておきます。
まとめ
ここでは、2023年に最も株価が上昇した50銘柄をピックアップして特徴を分析してみました。
分析からわかったことは次のとおりです。
ポイント
- 時価総額は1,000億円未満の小型株が圧倒的に多い
- テーマでは半導体関連が多い。
- レラティブストレングスのほとんどは90越え。80を超えたあたりから投資しても十分な利益が狙える。
大きなキャピタルゲインを狙うのであれば、こういった分析結果は参考になります。
小型株を狙うのは当然として、さらにレラティブストレングスも参考になります。
テーマは2023年は半導体でしたが、今年も同じとは限らないので、ここはモニタリングしてブレイクしそうなテーマを見つけていく作業が必要になります。
本サイトでも、テーマ別の株価騰落率を集計して記事にしているので、こちらを参考にしながら上昇しているテーマを見つけると効率的かと思います。
レラティブストレングスについても、本サイトでは独自のロジックを日本株に適用して計算しています。
計算結果の一部は本サイトでも無料公開しており、さらに詳細なデータはnoteで提供しています。
もしご興味あれば活用ください。
-
【一部無料公開】日本株でレラティブストレングスを計算する
続きを見る
とりあえず僕は引き続きnoteで提供しているレポートを活用しながら、小型株でレラティブストレングスの高い銘柄をピックアップして、そこから業績やチャートを見ながら投資を続けていこうと思います。
この分析を通して、レポート内容に各銘柄のテーマ情報も加えたら便利だなと思いました。次の改良で加えましょうかね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。