成長株投資を学び始めると、必ず出会う2人の投資家がいます。
ウィリアム・オニールとマーク・ミネルヴィニです。
どちらも「業績が成長している銘柄を、適切なタイミングで買う」という点では共通していますが、 銘柄選定のアプローチ、エントリーの判断基準、リスク管理の方法に明確な違いがあります。
「どっちの本を先に読むべき?」「自分にはどっちが合う?」「両方使える?」 、本記事では、両手法を日本株で実際に運用している立場から、 7つの観点で徹底比較し、使い分け方を解説します。
結論:一言でまとめると
| オニール(CAN-SLIM) | ミネルヴィニ(SEPA) | |
|---|---|---|
| 一言で | 「何を買うか」の教科書 | 「いつ買うか」の教科書 |
| 思考の起点 | ファンダメンタル → テクニカル | テクニカル → ファンダメンタル |
| スタイル | 投資家(中期〜長期) | トレーダー(短期〜中期) |
両者は対立するものではなく、組み合わせることで最も効果を発揮します。
実際、ミネルヴィニ自身もオニールの影響を公言しており、SEPAはCAN-SLIMをベースにしてエントリーの精度とリスク管理を深化させた手法です。
7つの観点で徹底比較
比較1:銘柄選定のアプローチ
| 観点 | オニール | ミネルヴィニ |
|---|---|---|
| 入口 | 業績(ファンダメンタル)から入る。 EPS成長率、売上成長率、ROEなどの条件で候補を絞り、その後チャートを確認する |
チャート(テクニカル)から入る。 株価トレンドが上昇局面にある銘柄を先に見つけ、その後業績を確認する |
| 体系 | CAN-SLIMの7条件(C・A・N・S・L・I・M)を順にチェック | SEPA(Specific Entry Point Analysis)でエントリーの精度を追求 |
オニールは業績が素晴らしい銘柄を見つけて、チャートが良くなるのを待つ。
ミネルヴィニはチャートが良い銘柄を見つけて、業績が伴っているか確認する。
ゴールは同じですが、たどり着く順番が逆です。
📎 参考記事: CAN-SLIMの詳細 → CAN-SLIM投資法とは?
📎 参考記事: トレンドテンプレートの詳細 → トレンドテンプレートを日本株に適用する
比較2:重視するチャートパターン
| 観点 | オニール | ミネルヴィニ |
|---|---|---|
| 主要パターン | カップウィズハンドル U字型の底+小さな取っ手の後にブレイク。形成に7〜65週かかる |
VCP(ボラティリティ収縮パターン) 値幅が段階的に収縮し、売り圧力が枯渇してからブレイク |
| 他のパターン | ダブルボトム、フラットベース、ソーサーボトム | VCPのバリエーション(収縮回数の違い) |
| 共通点 | どちらも「ベース形成(保ち合い)→ ブレイク」という構造は同じ | |
カップウィズハンドルは比較的長い時間軸(数ヶ月〜1年)の形成期間を前提としており、 VCPはより短い期間でも観測できます。
どちらも売り圧力が消えてからブレイクするという本質は共通しています。
📎 参考記事: カップウィズハンドル → 条件・見つけ方・エントリー方法を図解で解説
📎 参考記事: VCP → VCP(ボラティリティ収縮パターン)とは?
比較3:エントリーの判断基準
| 観点 | オニール | ミネルヴィニ |
|---|---|---|
| 買いのタイミング | ベースパターン(CWHなど)のピボットポイントを出来高増加で抜けた瞬間 | VCPのピボットポイントで、リスク/リワード比が有利な位置 |
| 出来高の基準 | ブレイク時に直近平均の40〜50%以上増加 | 出来高の急増は重視するが、数値基準はより柔軟 |
| 追いかけ方 | ピボットポイントから5%以上離れたら追わない | 同様。「適切な価格」でのみエントリー |
ミネルヴィニの方が、エントリーの判断においてより具体的な「リスク/リワード計算」を重視します。
「ここで買ったら損切りまで何%、利確目標まで何%」を事前に計算し、リスク/リワード比が最低でも3:1以上になるポイントだけを狙います。
比較4:損切り・リスク管理
| 観点 | オニール | ミネルヴィニ |
|---|---|---|
| 損切りルール | 買値から7〜8%下落で無条件に売却 | エントリーポイントからの距離で設定。VCPの安値を基準にすることが多い |
| ポジションサイズ | 集中投資(5〜7銘柄程度)を推奨 | リスク許容額から逆算してポジションサイズを決定 |
| 特徴 | シンプルで機械的。迷いが少ない | 精密だが計算が必要。より柔軟 |
オニールの7〜8%ルールは非常にシンプルで、初心者でもすぐ実行できます。
ミネルヴィニのリスク管理はより精密で、「損切り幅が5%以内に収まるピボットポイント」だけを選ぶことで、 1回の損失を小さく抑えつつリターンを最大化する設計です。
ポイント
初心者はまずオニールの7〜8%ルールから始めるのがおすすめです。 損切りの習慣がついてから、ミネルヴィニ式のリスク/リワード計算に移行すると無理がありません。
比較5:市場全体の判断方法
| 観点 | オニール | ミネルヴィニ |
|---|---|---|
| 判断方法 | ディストリビューション日数を数える。 4〜5週で5回以上なら弱気相場入りのシグナル |
第2ステージ銘柄の数を見る。 上昇局面の銘柄が減ってきたら相場のピークが近い |
| CAN-SLIMでの位置 | M(Market Direction)として7条件の1つに組み込み | 明確なフレームワークではなく、経験に基づく判断 |
オニールのディストリビューション日数はルールが明確で、機械的に判定できる利点があります。
本サイトではこの判定を毎日自動で更新しています。
📎 参考記事: ディストリビューションの詳細 → ディストリビューション(売り抜け)とは?
📎 参考記事: 毎日の状況確認 → ディストリビューション状況(無料・毎日更新)
比較6:重視する指標
| 指標 | オニール | ミネルヴィニ |
|---|---|---|
| EPS成長率 | 最重要。四半期25%↑、年間25%↑を推奨 | 重要。ただしオニールほど細かい数値基準は示さない |
| 売上高成長率 | CAN-SLIMのC条件に含む。25%↑を推奨 | 重視するが、EPS成長との整合性を見る |
| レラティブストレングス(RS) | 非常に重要。RS 80以上を推奨 | 重要だが、トレンドテンプレートで代替的にカバー |
| 移動平均線 | 50日/200日を参照するが体系的ではない | トレンドテンプレートで50日/150日/200日を体系的に使用 |
| PER | 高PERでもEPS成長があれば許容 | 同様。PERの絶対値より成長の質を重視 |
📎 参考記事: EPSの見方 → EPSとは?
📎 参考記事: PERとEPSの関係 → 株価は「PER × EPS」で決まる
📎 参考記事: RSの計算方法 → 日本株でレラティブストレングスを計算する
比較7:書籍の読みやすさ
| 観点 | オニールの成長株発掘法 | ミネルヴィニの成長株投資法 |
|---|---|---|
| ページ数 | 約600ページ | 約400ページ |
| 読みやすさ | やや重い。米国株の事例が中心で読み替えが必要 | 比較的読みやすい。実践寄りの記述が多い |
| 初心者向け | 中〜上級向け | 中級向け |
| おすすめの読む順番 | オニール → ミネルヴィニ(全体像を掴んでからエントリー精度を上げる) | |
📎 参考記事: オニール本のレビュー → 『オニールの成長株発掘法』要約と感想
📎 参考記事: ミネルヴィニ本のレビュー → 『ミネルヴィニの成長株投資法』要約と感想
比較まとめ:全体像を一枚の表で
| 比較項目 | オニール(CAN-SLIM) | ミネルヴィニ(SEPA) |
|---|---|---|
| 一言で | 何を買うかの教科書 | いつ買うかの教科書 |
| 思考の起点 | ファンダ → テクニカル | テクニカル → ファンダ |
| チャートパターン | カップウィズハンドル | VCP |
| 損切り | 7〜8%ルール | リスク/リワード計算 |
| 市場判断 | ディストリビューション日数 | 第2ステージ銘柄の動向 |
| 最重要指標 | EPS成長率 + RS | トレンドテンプレート + EPS |
| スタイル | 投資家寄り(中期〜長期) | トレーダー寄り(短期〜中期) |
| 書籍の難易度 | 重い(600p) | 読みやすい(400p) |
どっちを使うべき?タイプ別おすすめ
| あなたのタイプ | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 成長株投資が初めて | オニール(CAN-SLIM)から | 銘柄選定の全体像を体系的に学べる。損切りルールもシンプル |
| 業績分析はできるが、買いのタイミングがわからない | ミネルヴィニ(SEPA) | エントリーの精度を上げるための具体的手法が学べる |
| チャートから銘柄を探したい | ミネルヴィニ(SEPA)から | トレンドテンプレートで機械的にトレンド銘柄を絞り込める |
| 両方の強みを活かしたい | オニール → ミネルヴィニの順で両方 | 「何を買うか」と「いつ買うか」を体系的にカバーできる |
| 忙しくて自分でスクリーニングする時間がない | 本サイトのデータを活用 | 両手法のスクリーニングが自動化されている |
僕自身の使い分け方
僕自身は、オニールとミネルヴィニの両方を組み合わせて日本株に適用しています。
具体的なワークフローは以下の通りです。
順番は前後することがありますが、以下のポイントを組み合わせて銘柄探しをしています。
- 週1回:オニール銘柄(EPS/売上20%↑)をスクリーニングし、業績が強い銘柄の母集団を作る
- 週1回:ミネルヴィニ銘柄(トレンドテンプレート通過)で、上昇トレンドにある銘柄を確認する
- 両方に載っている銘柄を重点的に監視リストに入れる
- 毎日:52週高値を更新した銘柄を確認し、監視銘柄がブレイクしたかチェックする
- 毎日:ディストリビューション日数で相場全体の地合いを確認する
この流れで、オニールの「何を買うか」とミネルヴィニの「いつ買うか」を両方カバーしています。
どちらか一方だけでは見落としてしまう銘柄が、組み合わせることで浮かび上がってきます。
ちなみに、銘柄を選定する際には、必ずしもオニール銘柄とミネルヴィニ銘柄の両方に登録されているものから選ぶということではなく、最低限どちらかに登録されたものの中から、そのほかの指標を見ながら総合的に判断しています。
本サイトで両手法を効率的に実践する
本サイトでは、オニールとミネルヴィニの両手法のスクリーニングを毎週自動で実行し、結果を公開しています。
| データ | 対応する手法 | わかること | 料金 |
|---|---|---|---|
| オニール銘柄 | CAN-SLIM(C・A条件) | EPS/売上20%↑の業績成長銘柄 | 無料 / 有料 |
| ミネルヴィニ銘柄 | SEPA(トレンドテンプレート) | 第2ステージ(上昇局面)の銘柄 | 無料 / 有料 |
| 52週高値更新銘柄 | 両手法共通(N条件 / ブレイク) | 新高値を更新した銘柄 | 無料 / 有料 |
| ディストリビューション | CAN-SLIM(M条件) | 相場全体の地合い | 無料 |
| 日次レポート | 両手法共通 | ブレイクアウト候補を毎日配信 | 有料 |
無料データだけでも「オニール銘柄 × ミネルヴィニ銘柄の重複銘柄」を探すことは可能です。
有料版(月額880円)では、RS・時価総額・業種などのフルデータが付与され、 より精度の高い銘柄選定ができます。
オニール × ミネルヴィニの両方を実践する
- オニール銘柄一覧(無料)→ 銘柄を確認する
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- フルデータで実践する → 提供データの一覧を見る(月額880円)
よくある質問(FAQ)
Q. どっちの本を先に読むべき?
オニール → ミネルヴィニの順がおすすめです。
オニールの本でCAN-SLIMの全体像を理解してから、ミネルヴィニの本でエントリーの精度を上げる流れが自然です。
ただし、オニールの本は600ページと重いので、先に本サイトの CAN-SLIM解説記事で概要を掴んでから読み始めると効率的です。
Q. 片方だけでも投資はできる?
できます。
オニールのCAN-SLIMだけでも十分に体系的な投資が可能です。
ミネルヴィニのSEPAだけでも、トレンドテンプレートとVCPで銘柄を選べます。
ただし、両方を組み合わせることで「業績 × トレンド」の両面からチェックできるため、 片方だけよりも精度が上がります。
Q. 日本株でも両手法は使える?
使えます。ただし、以下の点で米国株とのギャップがあります。
- レラティブストレングス:日本ではIBDのRSが提供されていないため、独自に計算する必要がある(本サイトでは毎週計算・公開中)
- EPS取得:日本の決算サイクル(四半期発表タイミング)に合わせた確認が必要
- 出来高基準:日本株は米国株と比べて出来高が少ない銘柄が多い
本サイトでは、これらのギャップを補うために両手法を日本株に適用したスクリーニングを自動化しています。
Q. DUKE。さんの「新高値ブレイク投資術」はどこに位置づけられる?
DUKE。さんの手法は、オニールとミネルヴィニの影響を強く受けた「日本株向けのアレンジ版」です。
新高値ブレイクをシグナルに使い、業績も確認するという点で両手法のエッセンスを取り入れています。
初心者がオニールやミネルヴィニの本に挑む前の入門書として最適です。
📎 参考記事: 新高値ブレイク投資の詳細 → 新高値ブレイク投資のやり方
📎 参考記事: 成長株の見つけ方の全体像 → 成長株の見つけ方 完全ガイド
まとめ
オニールとミネルヴィニは「対立する手法」ではなく、互いを補完する関係です。
- オニール(CAN-SLIM)で「何を買うか」(業績成長銘柄の選定)を学ぶ
- ミネルヴィニ(SEPA)で「いつ買うか」(エントリーの精度とリスク管理)を学ぶ
- 両方を組み合わせることで、業績とチャートの両面からチェックした精度の高い投資ができる
本サイトでは、両手法のスクリーニングを毎週自動で実行しています。
「オニール銘柄 × ミネルヴィニ銘柄」の重複チェックから始めてみてください。
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