3,800社を超える日本の上場企業の中から、これから大きく上昇する成長株を見つけるのは簡単ではありません。
しかし、過去に大きく値上がりした銘柄を分析すると、共通する条件が見えてきます。
業績が加速的に成長していること、株価が上昇トレンドにあること、そして市場全体の地合いが追い風であること、 この3つの軸でスクリーニングすれば、候補を大幅に絞り込むことができます。
本記事では、成長株投資の世界的権威であるウィリアム・オニールとマーク・ミネルヴィニの手法をベースに、 日本株で成長株を見つけるための具体的なスクリーニング方法を解説します。
結論:成長株を見つける3つの軸
成長株のスクリーニングは、以下の3つの軸で整理できます。
| 軸 | 見ること | 主な指標 | 対応する投資手法 |
|---|---|---|---|
| ①業績(ファンダメンタル) | 利益と売上が成長しているか | EPS成長率、売上成長率、ROE | オニールのCAN-SLIM(C・A条件) |
| ②株価トレンド(テクニカル) | 株価が上昇局面にあるか | 移動平均線、RS、チャートパターン | ミネルヴィニのトレンドテンプレート |
| ③需給・市場環境 | 買いの勢いがあるか、地合いは良いか | 出来高、ディストリビューション日数 | CAN-SLIMのS・M条件 |
この3つが揃った銘柄こそが、大きく上昇する可能性の高い本物の成長株です。
ポイント
多くの投資家は①業績だけで銘柄を選びがちですが、 業績が良くても株価が上がらない銘柄は山ほどあります。 ②と③を加えることで、「いつ買うか」「今買っていいのか」の判断ができるようになります。
軸①:業績で候補を絞り込む(ファンダメンタル)
EPS(1株あたり利益)の成長率を見る
成長株を見つけるうえで最も重要な指標はEPS(1株あたり利益)の成長率です。
EPSが前年同期比で20%以上成長している企業は、成長が加速している段階にある可能性が高いです。
特に注目すべきは加速です。
EPS成長率が「前々四半期15% → 前四半期20% → 今四半期30%」のように加速している銘柄は、 ビジネスが拡大局面に入っているサインです。
📎 参考記事: EPSの基本 → EPSとは?意味・計算式・見方をわかりやすく解説
売上高の成長率を見る
EPSだけでなく、売上高も同時に成長しているかを確認します。
EPSがコスト削減で伸びているだけの場合、成長は一時的で持続しません。
売上とEPSの両方が20%以上伸びていれば、事業そのものが拡大している証拠です。
スクリーニング条件のまとめ(業績編)
| 指標 | 条件 | 見ている根拠 |
|---|---|---|
| 四半期EPS成長率(YoY) | 20%以上 | 利益の成長力 |
| 四半期売上高成長率(YoY) | 20%以上 | 事業の拡大力(コスト削減だけでないか) |
| 年間EPS成長率 | 過去3年で安定成長 | 一過性ではないか |
| ROE | 17%以上(目安) | 資本効率の高さ |
ポイント
これらの条件は、オニールのCAN-SLIM投資法における「C(当期四半期EPS)」と「A(年間EPS)」に対応しています。 100年以上の米国株データから導き出された、大化け株に共通する業績条件です。
📎 参考記事: CAN-SLIMの詳細 → CAN-SLIM投資法とは?7つの条件を日本株で解説
本サイトでは、上記の業績条件を満たす日本株を毎週自動でスクリーニングし、「オニール銘柄」として公開しています。
→ オニール銘柄一覧を見る(無料)
軸②:株価トレンドで「いつ買うか」を判断する(テクニカル)
業績が良いだけでは不十分な理由
「業績が良い銘柄を見つけたら、すぐ買えばいいのでは?」と思うかもしれません。 しかし、業績が良くても株価が下がり続ける銘柄は山ほどあります。
これはPER(株価収益率)の縮小が原因です。
市場がその企業の成長に対する期待を引き下げると、EPSが増えていてもPERが下がり、 結果として「株価=PER×EPS」が横ばいまたは下落するケースがあります。
📎 参考記事: PERとEPSの関係 → 株価は「PER × EPS」で決まる
📎 参考記事: PERの変動要因 → PERが上がる理由・下がる理由
株価の「4つのステージ」を理解する
株価には4つのステージ(局面)があり、成長株投資で狙うべきは第2ステージ(上昇局面)だけです。
| ステージ | 局面 | 判断 |
|---|---|---|
| 第1ステージ | 底固め | まだ買わない(方向性が不明) |
| 第2ステージ | 上昇 | ここだけを狙う |
| 第3ステージ | 天井圏 | 利確を検討 |
| 第4ステージ | 下落 | 絶対に買わない(ナンピン禁止) |
「安くなったから買い」は第4ステージの銘柄を掴んでしまうリスクがあります。
第2ステージにいるかどうかを判定する方法がトレンドテンプレートです。
トレンドテンプレートで上昇トレンドを判定する
トレンドテンプレートとは、移動平均線の位置関係で今の株価が上昇トレンドにあるかを機械的に判定する方法です。
- 現在の株価が150日(30週)と200日(40週)の移動平均線を上回っている。
- 150日移動平均線は200日移動平均線を上回っている。
- 200日移動平均線は少なくとも1ヶ月上昇トレンドにある。
- 50日(10週)移動平均線は150日移動平均線と200日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は50日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は52週安値よりも、少なくとも30%高い。
- 現在の株価は52週高値から少なくとも25%以内にある。
- レラティブストレングスのランキングは70%以上、望ましくは80台か90台である。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
これらの条件をすべて満たした銘柄は、第2ステージ(上昇局面)にいる可能性が高いです。
📎 参考記事: トレンドテンプレートの詳細 → トレンドテンプレートを日本株に適用する方法
本サイトでは、トレンドテンプレートの条件を毎週プログラムで自動判定し、条件を満たした銘柄を「ミネルヴィニ銘柄」として公開しています。
→ ミネルヴィニ銘柄一覧を見る(無料)
レラティブストレングス(RS)で「先導株」を見極める
レラティブストレングス(RS)は、個別銘柄の株価パフォーマンスを市場全体と比較した指標です。
1〜99のランクで表され、RS 80以上の銘柄は「市場の上位20%に入る強さ」を持っていることを意味します。
成長株投資では、RSが高い先導株だけを対象にするのが鉄則です。
RSが低い銘柄は、業績が良くても市場が評価していない(まだ第2ステージに入っていない)可能性があります。
📎 参考記事: RSの詳細 → 日本株でレラティブストレングスを計算する方法
チャートパターンで「買いのタイミング」を絞る
トレンドテンプレートで「上昇トレンドにいる銘柄」を特定したら、 最後にチャートパターンで具体的なエントリーポイントを決めます。
代表的なパターンは以下の2つです。
| パターン | 概要 | 特徴 |
|---|---|---|
| カップウィズハンドル | U字型の底(カップ)+小さな調整(ハンドル)を経てブレイク | オニールが最も重視するパターン。期間が長め(7〜65週) |
| VCP(ボラティリティ収縮パターン) | 値幅が段階的に収縮し、最後にブレイク | ミネルヴィニが重視。売り圧力の枯渇を示す |
いずれのパターンも、「保ち合い(ベース形成)→ ブレイク」の形を取ります。
ブレイクのタイミングが52週高値の更新と重なることも多く、 新高値ブレイク投資との親和性が非常に高いです。
📎 参考記事: カップウィズハンドル → カップウィズハンドルとは?条件・見つけ方・エントリーを図解で解説
📎 参考記事: VCPパターン → VCP(ボラティリティ収縮パターン)とは?
📎 参考記事: 新高値ブレイク投資 → 新高値ブレイク投資のやり方
軸③:需給と市場環境を確認する
出来高は「機関投資家の足跡」
出来高の急増は、機関投資家(ファンド・年金など大口の投資家)が動いているサインです。
個人投資家だけの買いでは、株価の上昇は持続しません。
特にブレイク時の出来高に注目してください。
オニールはブレイク時の出来高が直近平均の40〜50%以上増加していることを条件としています。
ディストリビューション日数で「地合い」を判断する
どんなに良い銘柄でも、相場全体が下落トレンドにあれば巻き込まれます。
ディストリビューション(売り抜け)とは、株価指数が出来高を伴って下落する日のことで、 これが4〜5週間で5回以上発生すると、相場全体が弱気に転換するシグナルです。
成長株を買うタイミングは、ディストリビューション日数が少なく、相場全体が上昇トレンドにあるときに限定すべきです。
📎 参考記事: ディストリビューションの詳細 → ディストリビューション(売り抜け)とは?
本サイトでは、主要株価指数のディストリビューション日数を毎日無料で更新しています。
→ ディストリビューション状況を確認する(無料・毎日更新)
実践:日本株で成長株を探す5ステップ
ステップ1:相場の地合いを確認する(毎日1分)
まずディストリビューション状況を確認します。
ディストリビューション日数が5日以上なら、新規の買いは控えめにする。
3日以下なら、積極的に候補を探す局面です。
ステップ2:業績成長銘柄をリストアップする(週1回)
オニール銘柄一覧から、 EPS・売上が前年同期比20%以上成長している銘柄を確認します。
大体300銘柄〜500銘柄くらいが登録されており、ここが候補の母集団になります。
ステップ3:上昇トレンドの銘柄に絞り込む(週1回)
ミネルヴィニ銘柄一覧で、 トレンドテンプレートを通過している銘柄を確認します。
ポイント
ステップ2とステップ3の両方に載っている銘柄が、 業績もチャートも強い最有力候補です。 まずはこの重複銘柄から監視リストを作ってください。
ステップ4:チャートパターンとブレイクを監視する(毎日5分)
監視リストに入れた銘柄のチャートを毎日チェックします。
カップウィズハンドルやVCPのベース形成が進んでいないか、 52週高値の更新が近づいていないかを確認します。
本サイトの52週高値更新銘柄(毎日更新・無料)で、 監視銘柄が新高値を更新したかどうかをすぐに確認できます。
ステップ5:ルールに従ってエントリー&リスク管理
チャートパターンのブレイクを確認し、出来高が平均の1.5倍以上であればエントリーします。
同時に損切りライン(買値から7〜8%下)を設定します。逆指値で入れるのがおすすめです。
| 判断 | アクション |
|---|---|
| ブレイク+出来高急増 | エントリー(ピボットポイントから5%以内で) |
| 買値から7〜8%下落 | 損切り(例外なし) |
| 20〜25%上昇 | 一部利確を検討 |
| 上昇トレンド継続中 | 保有を継続 |
やってしまいがちな3つの失敗パターン
失敗1:業績だけで買って「塩漬け」になる
「業績が良いから」という理由だけで買うと、株価が上がらないまま資金が拘束されます。
業績は軸①でしかなく、軸②(トレンド)と軸③(需給・地合い)が揃っていなければ、 「良い会社」であっても良い投資にはなりません。
解決策:オニール銘柄とミネルヴィニ銘柄の両方に載っている銘柄だけを候補にする。
失敗2:地合いを無視して買い向かう
相場全体が下落トレンドにあるとき(ディストリビューション日数が多いとき)に新規の買いを入れると、 どんなに強い銘柄でも巻き込まれて下落する確率が上がります。
解決策:ディストリビューション状況を毎日確認する習慣をつける。
失敗3:損切りができない
成長株投資は「1勝4敗でも利益が残る」手法ですが、 それは損切りを徹底して損失を小さく限定している場合に限ります。
1回の損切りを怠って大きな含み損を抱えると、4回の利益を帳消しにしてしまいます。
解決策:買う前に「この価格まで下がったら売る」を決めておく。逆指値注文を活用する。
本サイトのデータを使った効率的な銘柄探し
本サイトでは、成長株投資に必要な3つの軸のデータを体系的に提供しています。
| 軸 | データ | 内容 | 更新 | 料金 |
|---|---|---|---|---|
| ①業績 | オニール銘柄 | EPS/売上20%↑の銘柄リスト | 毎週 | 無料 / 有料 |
| 指標データセット | 各銘柄のEPS・売上・RS等 | 毎週 | 有料 | |
| ②トレンド | ミネルヴィニ銘柄 | トレンドテンプレート通過銘柄 | 毎週 | 無料 / 有料 |
| 52週高値更新銘柄 | 当日52週高値を更新した銘柄 | 毎日 | 無料 / 有料 | |
| 新高値ブレイク銘柄 | ベース形成後のブレイク候補 | 毎日 | 有料 | |
| ③需給・市場 | ディストリビューション | 主要指数の売り抜け日数 | 毎日 | 無料 |
| 週次ブレイク銘柄 | 新高値×出来高急増の銘柄 | 毎週 | 有料 |
無料データだけでもステップ1〜3は実践できます。 ステップ4〜5でブレイクの瞬間を捉えたい方は、日次レポート(有料)の活用がおすすめです。
- まず無料で試す → オニール銘柄一覧 × ミネルヴィニ銘柄一覧
- 地合いを確認 → ディストリビューション状況
- フルデータで実践 → 提供データの一覧を見る(月額880円)
さらに学びたい方へ:参考書籍
本記事で紹介したスクリーニング手法は、以下の書籍がベースになっています。
1. オニールの成長株発掘法【第4版】
CAN-SLIM投資法の原典。業績×チャートで大化け株を見つける体系的な手法が学べます。
分厚い(600ページ超)ですが、成長株投資をやるなら必読の1冊です。
2. ミネルヴィニの成長株投資法
トレンドテンプレートとVCPの原典です。
「いつ買うか」のエントリー精度を上げたい方に向いています。
オニール本の後に読むのがおすすめです。
3. 1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術(DUKE。著)
オニール・ミネルヴィニの手法を日本株向けにアレンジした入門書です。
読みやすく、初心者が最初に読む1冊として最適です。
📎 参考記事: 全書籍の一覧 → 株式投資で参考にしている書籍まとめ
よくある質問(FAQ)
Q. 成長株投資は初心者でもできる?
できます。
ただし、最初から大きな資金を投入するのではなく、 少額(10〜30万円程度)で始めて、損切りルールの実践に慣れることが重要です。
本記事の5ステップに沿って、まずは無料データで銘柄を探す練習から始めてみてください。
Q. 成長株とバリュー株、どっちがいい?
投資スタイルによります。
成長株投資はこれから大きく伸びる企業に集中投資する手法で、 リスクは高いですがリターンも大きくなります。
バリュー株投資は「市場に過小評価されている企業」を割安に買う手法で、安定的です。
本サイトでは成長株投資に特化したデータを提供しています。
Q. スクリーニングの条件は自分で変えてもいい?
本記事で紹介した条件(EPS/売上20%以上など)はあくまで出発点です。
自分の投資スタイルに合わせて調整しても構いません。
ただし、成長株投資の核心である業績成長×上昇トレンド×出来高の3軸は崩さないことをおすすめします。
Q. 成長株スクリーニングにおすすめのツールは?
証券会社のスクリーニングツール(楽天証券、SBI証券など)で業績条件を絞り込み、 チャートの確認はTradingViewが便利です。
本サイトでは、CAN-SLIMとトレンドテンプレートの条件を自動で組み合わせたスクリーニング結果を 毎週提供しているため、ツールを個別に使い分ける手間を省けます。
Q. CAN-SLIMやミネルヴィニの手法を知らなくてもこの記事の内容は使える?
はい。本記事では手法名を知らなくても実践できるように、 「業績」「トレンド」「需給」の3つの軸として整理しています。
より深く学びたくなったら、各手法の詳細記事を読んでみてください。
まとめ
成長株を見つけるポイントは、3つの軸を同時にチェックすることです。
- 業績:EPS・売上が前年同期比20%以上成長しているか
- 株価トレンド:第2ステージ(上昇局面)にあるか
- 需給・市場環境:出来高が増えているか、相場の地合いは良いか
この3つが揃った銘柄から監視リストを作り、 チャートパターンのブレイクを待ってエントリーする、これが成長株投資の基本的な流れです。
本サイトでは、この3軸のデータを毎日・毎週自動で更新しています。
忙しくてゼロから銘柄を探す時間がない方は、ぜひデータを活用してみてください。
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