CAN-SLIM(キャンスリム)投資法は、米国の伝説的投資家ウィリアム・J・オニールが著書『How to Make Money in Stocks(邦題:オニールの成長株発掘法)』で提唱した、成長株の銘柄選定フレームワークです。
ファンダメンタル分析(業績)とテクニカル分析(チャート)を融合させ、過去の大化け銘柄に共通する7つの条件を抽出した実践的手法として、世界中の個人投資家・機関投資家に活用されています。
本記事では、この7条件をオニールの原典に基づき詳しく解説し、日本株での実践方法、本サイトのスクリーニング機能、ミネルヴィニ手法との組み合わせまで完全ガイドします。
📌 この記事でわかること
- CAN-SLIM(キャンスリム)とは:ウィリアム・オニールが過去40年・約500銘柄の大化け株を分析して導き出した、7つの条件の頭文字を取った成長株投資法
- 7つの条件:C=四半期EPS成長率25%以上、A=年間EPS成長率25%以上、N=新製品/新高値、S=需給、L=業界トップ、I=機関投資家保有、M=市場全体の方向
- 本記事で得られるもの:7条件の具体的判定基準、日本株での実践方法、スクリーニング条件、ミネルヴィニ手法との組み合わせ方
目次
CAN-SLIM(キャンスリム)投資法とは|オニールの成長株発掘法の核心
CAN-SLIMは、銘柄選定で重要な7つの要素の頭文字を取ったものです。
| 頭文字 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| C | Current Quarterly Earnings | 当期四半期のEPSと売上 |
| A | Annual Earnings Increases | 年間EPSの増加 |
| N | New Products, New Management, New Highs | 新製品・新経営陣・新高値 |
| S | Supply and Demand | 株式の需要と供給 |
| L | Leader or Laggard | 主導銘柄か停滞銘柄か |
| I | Institutional Sponsorship | 機関投資家による保有 |
| M | Market Direction | 株式市場の方向 |
CAN-SLIM投資法が他の手法と異なるのは、業績だけでもチャートだけでも不十分とする点です。
どれほど業績が優れた銘柄でも、エントリーのタイミングを誤れば損失につながります。
逆に、業績を無視してチャートだけで判断するのもリスクが高い。
CAN-SLIMはこの両面を体系的にカバーする手法です。
CAN-SLIM(キャンスリム)の7つの条件を詳しく解説
ここからは、CAN-SLIMの7つの条件を一つずつ掘り下げていきます。
各条件について、オニールが求める基準と、日本株で実践する際のポイントを併記します。
C ─ 当期四半期のEPSと売上(Current Quarterly Earnings)
CAN-SLIMの「C」は、直近四半期のEPS(1株当たり利益)と売上高の成長を指します。
オニールが求める基準は、直近四半期のEPSが前年同期比で少なくとも18〜20%以上増加していること。
理想的には40〜100%、あるいはそれ以上の増加率です。
さらに、増加率が四半期を追うごとに加速していることが望ましいとされています。
売上高についても、前年同期比で25%以上の成長、もしくは加速度的な成長が求められます。
日本株で確認するポイント: EPSだけでなく売上高の成長が伴っていることが重要です。コスト削減だけでEPSが増えている場合は持続性に疑問が残ります。決算短信で四半期ごとのEPSと売上高の前年同期比を確認しましょう。
本サイトでは、決算短信から自動でEPSと売上高を収集し、条件を満たす銘柄を「オニール銘柄」として管理しています。
→ オニール銘柄一覧を見る(無料)
📘関連記事: C条件(四半期EPS成長率)解説 | 「EPS成長率の計算方法詳細」
A ─ 年間EPSの増加(Annual Earnings Increases)
「A」は、年間ベースでの収益成長の継続性を確認します。
過去3年間、毎年大きな収益増加(25%以上)を続けていること。
加えて、ROE(株主資本利益率)が17%以上、理想的には25〜50%であることが求められます。
日本株で確認するポイント: 日本企業でROE17%以上はかなりハードルが高い基準です。日本の上場企業の平均ROEは10%前後であるため、業種によっては基準を若干引き下げて判断するのも現実的です。ただし、EPSが年率25%以上で3年間連続成長しているかどうかは厳格にチェックすべきです。途中の年にEPSが下落している場合は、3年目に最高値を更新していても対象外とします。
📘 関連記事: CAN-SLIMを含む成長株スクリーニングの全体像は「成長株の見つけ方|スクリーニング完全ガイド」で3つの軸に分けて解説しています。
N ─ 新製品・新経営陣・新高値(New Products, New Management, New Highs)
「N」は、株価上昇のカタリスト(触媒)の存在を重視します。
新製品、新サービス、新経営陣、産業環境の変化など、何かしらの「新しさ」が業績の急成長を後押ししているケースが大化け銘柄には共通しています。
そして何より重要なのは、正しく形成されたベース(底固めパターン)を抜けて新高値をつけ始めた銘柄を買うことです。
「安いから買う」のではなく、「高値を更新する勢いのある銘柄を買う」という発想がCAN-SLIMの根幹にあります。
日本株で確認するポイント: 新製品発表、新規事業参入、経営陣刷新などのIR情報は、TDNETや各社のIRページで確認できます。これらの材料と業績成長が重なっている銘柄は特に注目に値します。
📘 関連記事:
- N条件(新高値)解説 | 「新高値ブレイク投資のやり方」
- N条件・チャートパターン | 「カップウィズハンドルの完全解説」
- オニールが有効とするベースパターンには、カップウィズハンドルのほか「ダブルボトム」や「フラットベース」もあります。条件とエントリー方法を解説しています。
- 新高値を活用したブレイクアウト投資の実践手順は「新高値ブレイク投資のやり方」で5ステップに分けて解説しています。
S ─ 株式の需要と供給(Supply and Demand)
「S」は、重要な局面での買い需要の確認です。
株価が上昇するには、売り手を上回る買い手が必要です。
特に注目すべきは、ベースパターンからブレイクアウトする際の出来高です。
ブレイクアウト時に出来高が通常の1.5倍〜2倍以上に増加していれば、機関投資家が本格的に参入している可能性が高く、上昇の持続性が期待できます。
日本株で確認するポイント: 日本株では、ブレイクアウト時に出来高の急増を伴っているかどうかをチャートで確認します。出来高の伴わないブレイクアウトは「だまし」の可能性が高いため注意が必要です。
📘 関連記事: 出来高を使ったブレイクアウトの本物・だましの判定方法は出来高の見方で解説しています。
L ─ 主導銘柄か停滞銘柄か(Leader or Laggard)
「L」は、市場を牽引するリーダー銘柄に投資すべきという原則です。
オニールは、レラティブストレングス(RS)指数が80以上の銘柄を推奨しています。
RS指数とは、他の銘柄と比較して相対的にどれだけ強い値動きをしているかを数値化した指標です。
停滞銘柄(RSが低い銘柄)は、たとえ割安に見えても避けるべきだとオニールは明言しています。
日本株で確認するポイント: IBDのレラティブストレングスは日本株に対応していませんが、本サイトでは独自のロジックで日本株のレラティブストレングスを毎日計算し、結果の一部を無料公開しています。
→ レラティブストレングスを日本株で使う方法|計算・見方・実戦ルーティンまで
I ─ 機関投資家の保有(Institutional Sponsorship)
「I」は、優れた機関投資家に支持されている銘柄を選ぶことの重要性を説いています。
株価が大きく上昇するには、個人投資家の買いだけでは力不足です。
投資信託やファンドなどの機関投資家による買い集めが株価を押し上げるエンジンとなります。
チェックすべきポイントは、機関投資家の保有数が直近の四半期で増加しているかどうか、そして保有している機関投資家の中に好成績のファンドが含まれているかどうかです。
さらに、経営陣が自社株を保有している場合は、株価上昇へのインセンティブが強いと判断できます。
日本株で確認するポイント: 日本株では、大量保有報告書(5%以上の保有変動を開示する制度)を確認することで、大口投資家の動向を追跡できます。新規の大量保有報告が出ている銘柄は、機関投資家が中長期的な株価上昇を見込んで買い集めている可能性があります。
本サイトでは、EDINETから大量保有報告書を自動収集し、無料記事として提供しています。
→ 大量保有報告書の記事一覧
M ─ 市場の方向性(Market Direction)
「M」は、CAN-SLIMの中で最も重要な要素とも言えます。
どれほど優れた銘柄を見つけても、市場全体が下落トレンドにある場合は大きな利益を上げることが難しくなります。
オニールは、市場の方向性を見誤ると全てが台無しになると繰り返し警告しています。
市場の方向を判断する方法は、主要株価指数の日足チャートで価格と出来高の変化を注意深く観察することです。日本株であれば、日経平均株価やTOPIXの動きが基準になります。
特に重要なのが、市場がまだ上昇している最中に起きる「売り抜け(ディストリビューション)」の検知です。
4〜5週間で明確なディストリビューションが4〜5日発生すると、その後の市場はほぼ確実に下落に転じるとオニールは述べています。
→ ディストリビューションについての詳しい解説はこちら
→ 主要株価指数のディストリビューション状況を見る(無料・毎日更新)
また、市場の方向性の判断にはミネルヴィニの株価ステージの考え方と非常に有効です。
銘柄が上昇ステージにあるかどうかの判定方法は「株価のステージ分析」で具体的な手順を解説しています。
📘 参考記事:
CAN-SLIMで実際に何倍株が見つかる?過去の大化け銘柄例
CAN-SLIMの7条件は理論として優れていますが、「実際に何倍株が見つかるのか?」という疑問は多くの読者が持つはずです。
本セクションでは、米国・日本の過去の大化け銘柄を具体的に取り上げ、CAN-SLIM条件が揃った時点と、その後の株価推移を解説します。
📊 オニールの研究結果
オニールは1953年から2009年までの過去56年間、約500銘柄の大化け株(株価3〜100倍以上)を徹底分析。その共通項としてCAN-SLIMを抽出しました。つまり、CAN-SLIMは「机上の理論」ではなく「実証データから逆算した手法」です。
米国の代表例|CAN-SLIMから始まった伝説的大化け銘柄
| 銘柄 | CAN-SLIM条件が揃った時期 | その後の上昇率 |
|---|---|---|
| Apple (AAPL) | 2004年(iPod急成長期) | 2004→2012で約60倍 |
| Amazon (AMZN) | 2009年(AWS収益化開始) | 2009→2021で約45倍 |
| NVIDIA (NVDA) | 2016年(GPU需要爆発) | 2016→2024で約70倍 |
| Tesla (TSLA) | 2019年(Model 3量産開始) | 2019→2021で約20倍 |
| Netflix (NFLX) | 2012年(ストリーミング転換) | 2012→2018で約40倍 |
これらの銘柄に共通するのは、① 四半期EPS成長率が前年比+25%以上で加速、② 革新的な新製品・新サービスの登場、③ 新高値を更新するチャート形状、④ 機関投資家の保有が増加の4点。
まさにCAN-SLIMの中核条件です。
日本株の代表例|過去にCAN-SLIM条件で大化けした銘柄
日本株でも、CAN-SLIM条件が揃った時点で買えていれば数倍〜数十倍になった銘柄が存在します。
以下は過去事例として代表的なものです(現時点の推奨ではありません)。
| 銘柄 | CAN-SLIM条件が揃った時期 | その後の上昇率 |
|---|---|---|
| レーザーテック (6920) | 2018年(EUV検査装置の独占) | 2018→2021で約20倍 |
| エムスリー (2413) | 2014年(医療プラットフォーム拡大期) | 2014→2021で約25倍 |
| SHIFT (3697) | 2017年(DX需要の本格化) | 2017→2021で約15倍 |
| ベイカレント・コンサルティング (6532) | 2018年(コンサル業界の成長) | 2018→2021で約12倍 |
| ペプチドリーム (4587) | 2014年(製薬大手との提携拡大) | 2014→2018で約10倍 |
いずれも当時、業績の急成長・新製品/新市場の出現・業界トップシェア・機関投資家の保有増加というCAN-SLIM条件が揃っていました。
重要なのは「結果論」ではなく、条件が揃った時点で買って・条件が崩れたら売るという規律ある運用です。
大化け銘柄に共通する3つの「兆候」
過去事例を分析すると、CAN-SLIM条件が揃った銘柄が大化けする前に、以下の3つの兆候が見られることが多いです。
- 四半期EPS成長率の「加速」:単に+25%以上ではなく、過去2〜3四半期より成長率が上昇していること(例:+30%→+45%→+60%)
- 業界全体の追い風:CAN-SLIMのL(業界トップ)は、業界自体が成長期にあることが前提。半導体・AI・SaaS・バイオなど構造的成長セクター
- 機関投資家の新規組み入れ:四半期ごとの大株主変動で、機関投資家の数や保有比率が増えていること。需給的な追い風が出る
⚠️ 注意:上記の銘柄は「過去事例」であり、現時点での推奨ではありません。これらの銘柄も条件が崩れた後は大きく下落しています。CAN-SLIMは「買って終わり」ではなく、「条件が崩れたら売る」までを含めた一連の手法であることを理解してください。
CAN-SLIMで何銘柄保有する?ポートフォリオ構築の考え方
CAN-SLIM投資法を実践する際によくある疑問が「結局、何銘柄保有すればいいのか?」です。
投資信託のように数十銘柄に分散投資するのか、それとも数銘柄に集中するのか。
本セクションでは、オニールが推奨するポートフォリオ構築の考え方と、個人投資家が実践しやすい具体的な目安を解説します。
個人投資家は5〜8銘柄が目安|オニール推奨の集中投資
オニールは『成長株発掘法』の中で、個人投資家のポートフォリオは5〜8銘柄に集中させるべきと繰り返し説いています。
資金規模別の目安は以下の通り:
| 運用資金 | 推奨銘柄数 | 1銘柄あたりの投資額目安 |
|---|---|---|
| 100万円未満 | 2〜3銘柄 | 33〜50万円 |
| 100〜500万円 | 4〜5銘柄 | 20〜125万円 |
| 500〜2,000万円 | 5〜7銘柄 | 70〜400万円 |
| 2,000万円以上 | 6〜8銘柄 | 250万円〜 |
「もっと分散したほうが安全では?」と思うかもしれませんが、20銘柄も30銘柄も保有すると、1銘柄1銘柄を深く調べる時間がなくなり、結果的に運用の質が下がります。
CAN-SLIMは「厳選した少数銘柄を深く監視し、規律ある売買を行う」手法です。
集中投資が機能する理由|大化け1銘柄が全体リターンを牽引する
5〜8銘柄の集中投資が成立する根拠は、「大化け銘柄1〜2銘柄がポートフォリオ全体のリターンを牽引する」という統計的事実にあります。
たとえば5銘柄保有していて、3銘柄が-8%で損切り、1銘柄が+20%で利確、残り1銘柄が+200%まで上昇したとします。
📐 計算例(5銘柄・各100万円ずつ)
- 3銘柄 × -8% = -24万円
- 1銘柄 × +20% = +20万円
- 1銘柄 × +200% = +200万円
- 合計 +196万円(運用資金500万円に対して+39%)
このように、負け銘柄を-8%で確実に切れば、1銘柄の大化けで全体が大きくプラスになります。
これが「損小利大」のCAN-SLIM運用の本質です。
勝ち銘柄に追加投資、負け銘柄は早期撤退
CAN-SLIMでは、保有銘柄を「均等に持ち続ける」のではなく、動的にポジションを調整します。
- ピボットから+2〜3%で初期エントリー(ポジションの50〜70%)
- +5%まで上昇したら追加買い(残り30〜50%。「ピラミッディング」)
- -7〜8%下落で損切り(オニールの絶対ルール)
- +20〜25%で部分利確(1/3〜1/2を売却)
- 残りは50日線(10週線)割れまで保有し、大化けを狙う
「勝ち馬に乗り、負け馬は早めに降りる」これがCAN-SLIM流ポートフォリオ運用の鉄則です。
セクター分散の考え方|同じセクターに集中しすぎない
5〜8銘柄を選ぶ際、異なるセクター(業種)から選ぶのが基本です。
半導体銘柄ばかり5銘柄を持つと、半導体市況の悪化で全銘柄が一斉に下落するリスクがあります。
とはいえ、CAN-SLIMの「L(業界トップ)」条件を満たす銘柄は、強い業界に集中することが多いのも事実です。
実践的な目安:
- 同一セクター内の保有は最大2銘柄まで
- 5銘柄保有なら、最低3セクターに分散
- セクター全体が弱含み(市場全体のM条件悪化)なら、現金比率を上げる
市場全体が弱い時のポジション調整
CAN-SLIMの「M(市場全体の方向)」が悪化した時は、保有銘柄数を減らし、現金比率を上げます。
| 市場の状態 | 推奨ポジション |
|---|---|
| フォロースルーデイ発生・上昇トレンド | フルポジション(株式100%) |
| ディストリビューションデイ3〜4回 | ポジション縮小(株式50〜70%) |
| ディストリビューションデイ5回以上・下落トレンド | 大幅縮小(株式0〜30%、現金優先) |
市場環境が悪い時に無理して銘柄を保有し続けると、優良CAN-SLIM銘柄でも一緒に下落します。
「市場が悪い時は現金が最強のポジション」というオニールの言葉を覚えておきましょう。
CAN-SLIM(キャンスリム)を日本株で実践する方法
CAN-SLIMの7条件を理解したら、次はそれを実際の投資プロセスに落とし込む段階です。
チャートパターンでエントリーポイントを見極める
CAN-SLIMでは、ファンダメンタル条件を満たした銘柄に対して、チャートパターンが形成されてからエントリーすることを重視します。
特に重要なのが「カップウィズハンドル」に代表される底固めパターンです。

オニールの著書では最初の100ページ以上がチャート分析に充てられているほど、チャート読解のスキルは成長株投資において不可欠です。
→ カップウィズハンドルについての詳しい解説はこちら
また、オニールが有効とするベースパターンにはカップウィズハンドルのほかダブルボトムもあります。
CAN-SLIMで重要な3大ベースパターン
CAN-SLIMのN条件(新高値)では、正しいベースパターンからのブレイクアウトを重視します。
オニールとミネルヴィニが有効とする主なパターンは3つです。
| パターン | 形状 | 形成期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| カップウィズハンドル | U字型+取っ手 | 7〜65週 | オニールが最も重視。ハンドル部分の出来高枯渇がブレイク成功の鍵 |
| ダブルボトム | W字型 | 7〜65週 | 2つ目の底が1つ目をわずかに下回る「アンダーカット」が理想形 |
| VCP(ボラティリティ収縮パターン) | 段階的な収縮 | 数週間〜 | ミネルヴィニが提唱。短期間で形成されることもあり、エントリー機会が多い |
どのパターンが出現するかは銘柄によって異なるため、3つすべてを認識できるようになることが重要です。いずれのパターンでも、ブレイクアウト時に出来高が50日平均の1.5倍以上に増加していることが必須条件です。
出来高の詳しい見方は「出来高の見方|株価ブレイクの本物とだましを見抜く」で解説しています。
ディストリビューションで下落サインを察知する
市場全体の方向性を判断するうえで欠かせないのが、ディストリビューションの検知です。
ディストリビューションとは、前日比で下落しつつ出来高が前日より増加する日のことで、機関投資家の売り抜けを示唆するシグナルです。
→ ディストリビューションについての詳しい解説はこちら
損切りルール:ピボットポイントから7〜8%で撤退
どれほど完璧なタイミングでエントリーできたとしても、損切りラインの設定は必須です。
オニールは、ピボットポイント(ブレイクアウトの買い値)から7〜8%下落したら機械的に損切りするルールを徹底しています。
これは「攻め」以上に「守り」が投資の成功を左右するという、CAN-SLIMの重要な思想です。
📘 関連記事:
- 損切りの具体的なルールと心理的な壁の乗り越え方は「株の損切りルール」で解説しています。
- 利確の具体的なルールは成長株の利確ルールで解説しています
- ポジションサイジングの具体的なルール
本サイトのCAN-SLIM(キャンスリム)スクリーニング機能
CAN-SLIM投資法は非常に有効な手法ですが、チェックすべき項目が多く、全銘柄を手動で確認するのは現実的ではありません。
本サイトでは、独自のプログラムを開発してCAN-SLIMに必要なデータを自動収集・管理しています。
オニール銘柄(無料)
CAN-SLIMの「C」(当期四半期のEPSと売上高)の条件を基準に、直近四半期決算のEPSと売上高が前年同期比で20%以上増加している銘柄を自動スクリーニングしています。
TDNETから平日1時間ごとに最新の決算短信を取得し、条件を満たす銘柄を「オニール銘柄」として登録・更新しています。
限定記事で得られる追加データ(月額880円)
無料の「オニール銘柄」は、CAN-SLIMの「C」の条件だけでフィルタリングした一覧です。
実際の投資判断には、年間EPSの成長性(A)、レラティブストレングス(L)、機関投資家の動向(I)、市場全体の方向性(M)など、CAN-SLIMの残りの条件も確認する必要があります。
本サイトの限定記事(月額880円)では、これらのデータを網羅的に提供しています:
- 日次/週次レポートV4(毎日/毎週更新):オニール&ミネルヴィニの手法に基づいてスクリーニングした銘柄の業績・チャート分析
- レラティブストレングス付きスクリーニング銘柄(毎週更新):独自計算のRS指標を含む57カラムのExcelデータ。四半期EPS・売上高・ROE・大量保有報告書まで一覧で確認可能
- 新高値ブレイク銘柄(毎日更新):「N」の条件に該当する新高値銘柄を自動検出
- 52週高値更新銘柄(毎日更新)
- 週足チャートのブレイク銘柄(毎週更新)
CAN-SLIMの条件確認に必要なデータ収集を自動化し、銘柄選定にかかる時間を大幅に削減できます。
CAN-SLIM(キャンスリム)と組み合わせたい手法|ミネルヴィニのトレンドテンプレート

CAN-SLIMと相性が良いのが、オニールと並ぶ伝説的成長株投資家マーク・ミネルヴィニが提唱するトレンドテンプレートです。
トレンドテンプレートは、移動平均線と株価の位置関係から「第2ステージ(上昇局面)にある銘柄」を判定する手法です。
- 現在の株価が150日(30週)と200日(40週)の移動平均線を上回っている。
- 150日移動平均線は200日移動平均線を上回っている。
- 200日移動平均線は少なくとも1ヶ月上昇トレンドにある。
- 50日(10週)移動平均線は150日移動平均線と200日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は50日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は52週安値よりも、少なくとも30%高い。
- 現在の株価は52週高値から少なくとも25%以内にある。
- レラティブストレングスのランキングは70%以上、望ましくは80台か90台である。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
CAN-SLIMでファンダメンタル面を確認し、トレンドテンプレートでテクニカル面のフィルターをかけることで、銘柄選定の精度をさらに高めることができます。
本サイトでは、トレンドテンプレートを日本株に適用したスクリーニング結果も毎週無料公開しています。
オニールとミネルヴィニ、どちらを使うべき?
CAN-SLIM(オニール)とSEPA/トレンドテンプレート(ミネルヴィニ)は、どちらも成長株投資の手法ですが、アプローチや重視するポイントに違いがあります。
両者の具体的な違いと、自分に合った手法の選び方は「オニール vs ミネルヴィニ|2つの成長株投資法の違いと使い分け」で解説しています。
📘 関連記事:
- 各ステージの詳しい特徴と見分け方は株価のステージ分析で解説しています。
- ミネルヴィニの手法を深く学びたい方は「『ミネルヴィニの成長株投資法』要約と感想」もおすすめです。
- CAN-SLIMとトレンドテンプレートの違いと使い分けは「オニール vs ミネルヴィニ|2つの成長株投資法の違いと使い分け」で7つの視点から比較しています。
CAN-SLIM(キャンスリム)を実践するためのロードマップ
CAN-SLIMの7つの条件を理解したら、次は実践です。
以下のステップで学習を進めることで、CAN-SLIMを日本株で実践できるようになります。
ステップ1:銘柄の見つけ方を学ぶ
CAN-SLIMの条件を使った銘柄スクリーニングの具体的な手順を理解します。
→「成長株の見つけ方|日本株で実践するスクリーニング完全ガイド」
ステップ2:株価のステージを理解する
どんなに良い銘柄でも、買うタイミング(ステージ)を間違えると損失につながります。
4つのステージの見分け方を学びます。
→「株価のステージ分析|今の銘柄が上昇局面かどうか判断する方法」
ステップ3:買いパターンを覚える
ステージ2の銘柄の中で、具体的にどのタイミングで買うかを判断するベースパターンを学びます。
→「カップウィズハンドルとは?条件・見つけ方・エントリー方法を図解で解説」
→「ダブルボトムとは?成長株投資でのエントリーパターンを解説」
→「VCP(ボラティリティ収縮パターン)とは?ミネルヴィニの手法で最適なエントリーを見つける方法」
ステップ4:出来高でブレイクの真偽を判断する
ベースパターンからのブレイクアウトが「本物」か「だまし」かを出来高で確認する方法を学びます。
ステップ5:損切りルールを設定する
買った後に逆行した場合の損切りルールを事前に決めておきます。
これがCAN-SLIMの「保険」です。
ステップ6:新高値ブレイクを実践する
52週高値のブレイクアウトを実際に狙う方法と、当サイトのデータの活用方法を学びます。
→「新高値ブレイク投資のやり方|52週高値更新銘柄の見つけ方と買い方を日本株で解説」
各ステップの記事を順番に読むことで、CAN-SLIMの理論から実践まで体系的に学べます。
よくある質問(FAQ)
Q. CAN-SLIMは日本株にも使えますか?
CAN-SLIMの7条件は市場を問わず普遍的な原則です。日本株でも十分に適用できます。
ただし、ROEの基準やレラティブストレングスの算出方法など、一部は日本市場に合わせて調整が必要です。本サイトでは日本株に最適化したスクリーニングを行っています。
Q. CAN-SLIMとバリュー投資の違いは何ですか?
バリュー投資が「割安な銘柄を安く買う」のに対し、CAN-SLIMは「成長力の高い銘柄を適切なタイミングで買う」手法です。
PER(株価収益率)の高低ではなく、EPS成長率の加速に注目するのがCAN-SLIMの特徴です。
Q. 初心者がCAN-SLIMを始めるにはどうすれば良いですか?
まず「C」(四半期EPSと売上高の成長)と「M」(市場の方向性)の2つから始めるのがおすすめです。
本サイトでは「C」の条件を満たす銘柄をオニール銘柄として無料公開しているので、ここを起点にしてチャート分析や他の条件の確認を進めることができます。
Q. スクリーニング結果はどのくらいの頻度で更新されますか?
オニール銘柄は平日毎日(決算短信の発表に合わせて1時間ごと)更新。
限定記事の日次レポートは毎日、週次レポートは毎週土曜に更新しています。
CAN-SLIMとCANSLIM、キャンスリムの違いは?
表記の違いだけで、内容は同じです。オニールの原典では「CAN SLIM」(スペース付き)と表記されますが、日本では「CAN-SLIM」(ハイフン付き)が一般的です。
カタカナ表記の「キャンスリム」も同じ意味で使われます。本サイトでは検索しやすさを考慮し「CAN-SLIM(キャンスリム)」と併記しています。
まとめ
CAN-SLIM投資法は、ファンダメンタル分析とテクニカル分析を融合させた成長株投資の体系的な手法です。
7つの条件(C・A・N・S・L・I・M)を満たす銘柄を選び、適切なチャートパターンでエントリーし、市場全体の方向性を常に確認する、この一連のプロセスが、大化け銘柄を見つける確率を高めます。
ただし、これら全ての条件を手動で確認するのは膨大な作業量になります。
本サイトでは、CAN-SLIMの条件確認に必要なデータを独自のプログラムで自動収集し、投資判断に活用しやすい形で提供しています。まずは無料の「オニール銘柄」をご活用ください。
CAN-SLIMの全条件を網羅したデータ(レラティブストレングス、大量保有報告書、年間EPS成長率等)は、限定記事で提供しています。月額880円で全てのデータにアクセスできます。
📘 関連記事:
- 成長株の見つけ方 完全ガイド
- 利確の具体的なルールは成長株の利確ルールで解説しています
- オニール『成長株発掘法』完全解説