追跡レポート

81銘柄全データ公開|「マーケット逆風下でRS96超えは+11%」— 週次レポート3ヶ月追跡 第2回

2026年6月に公開した追跡レポート第1回では、2026年2月に週次レポートで配信した144銘柄の3ヶ月追跡データをすべて公開しました。

今回はその続編、シリーズ第2回として、2026年3月配信の81銘柄の3ヶ月追跡結果をお届けします。

今回の最大の見どころは、「マーケット環境が真逆だった」という点です。

🎯 前回と今回の相場環境の違い

第1回(202602コホート):東証グロース市場250指数 +6.84%の追い風
第2回(202603コホート・本記事):東証グロース市場250指数 -6.3%の逆風
・しかし同期間の日経平均は+15〜31%と大幅上昇(大型株ラリー)

 

成長株中小型セクターに逆風が吹く中、週次レポート配信銘柄はどのような結果になったのか。

そして前回の学び「RS96以上の銘柄群は勝率46%・平均+4%」は再現されたのか。今回はその検証がメインテーマになります。

結論を先に言うと、マーケット逆風下でもRS96超え群は勝率60%・平均+11%を叩き出したという、前回よりも明確なパターンが確認できました。

ただし全体では平均-5%と厳しい結果。この振れ幅の意味を、データで解きほぐしていきます。

 

このレポートの前提と計算ルール(第1回と同じ)

誠実な分析を保証するため、計算ルールを毎回明示します。前回と同じ設計です。

項目 設定
対象 2026年3月の週次レポートで配信した全銘柄
銘柄数 81銘柄(重複排除後)
重複処理 同一銘柄が複数回登場した場合、初回登場日を採用
基準値 週次レポート配信前日(金曜日)の終値
評価値 基準日から63営業日後(≒3ヶ月後)の終値
スクリーニング条件 RS 80以上・EPS前年比+20%以上・売上高前年比プラス・時価総額1,000億円以下(他)
除外なし 勝った銘柄も負けた銘柄もすべて含む(チェリーピッキングなし)

 

スクリーニングの詳細ロジックは第1回記事で全公開しています。

 

全体結果サマリー|81銘柄の3ヶ月パフォーマンス

まず結論から。2026年3月配信の81銘柄の3ヶ月後パフォーマンスは以下の通りです。

📊 全体結果

平均上昇率 -5.07%
中央値 -14.11%
勝率(+0%超) 23.5%(20銘柄)
+20%以上達成 11銘柄(13.6%)
+50%以上達成 4銘柄(4.9%)
+100%以上達成(テンバガー候補) 1銘柄(1.2%)
-30%以下 10銘柄(12.3%)

 

正直にお伝えします。全体パフォーマンスは前回よりさらに悪化しています。

第1回では平均-1.24%・中央値-11.13%・勝率31.2%でしたが、今回はいずれも下振れ。テンバガー銘柄も4銘柄から1銘柄に減少しました。

ただし、この数字を「良い/悪い」で判断するには、同期間のマーケット環境を必ず併せて見る必要があります。次のセクションで詳しく解説します。

 

マーケット文脈|「日経+15〜31%・グロース250 -6%」の二極化相場 

2026年3月〜6月は、日本株市場において「大型株と中小型グロース株の二極化」が起きた期間でした。

配信日→評価日それぞれの主要指数の動きは以下の通りです。

配信日 → 評価日 日経平均 TOPIX グロース250 配信数
03/06 → 06/10 +15.4% +3.5% -6.3% 57
03/13 → 06/17 +29.9% +10.6% -6.0% 7
03/19 → 06/23 +30.8% +10.6% -6.5% 10
03/27 → 06/30 +31.3% +9.4% -3.8% 7

💡 この相場環境の意味

日経平均が15〜31%上昇した裏で、東証グロース市場250指数は全期間で下落していました。つまり大型株が指数を牽引した一方、中小型グロース株は明確な逆風下にありました。当社の週次レポートのターゲットは時価総額1,000億円以下の中小型成長株のため、後者の環境の影響を強く受けます。

 

この文脈で「平均-5.07%」を評価すると、東証グロース市場250指数(-6%前後)とほぼ同水準です。つまり「マーケット並みの成績」であり、指数を大きくアンダーパフォームしたわけではありません。

ただし前回(第1回)の追い風局面ですらグロース250をアンダーパフォームしていた事実と併せて考えると、依然として「機械的スクリーニングで選ばれた81銘柄を均等保有する」使い方は最適ではないことが再確認されました。

 

分布で見る「平均」と「中央値」+ ヒストグラム

81銘柄のリターン分布をヒストグラムで見ます。

特徴的なのは、「マイナス圏に大きな塊、プラス圏に細長い尾」という非対称な形です。

  • マイナス圏(-30%〜0%): 62銘柄(76.5%)
  • プラス圏(0%〜+20%): 8銘柄
  • +20%以上の大化け候補: 11銘柄(うち+100%超1銘柄)

この形が「平均-5.07% / 中央値-14.11%」という乖離を生みます。

大化け銘柄が全体平均を10ポイント近く押し上げているものの、中央値では約-14%という現実。

つまり「均等買い」戦略は、ごく一部の大化けにおんぶする構造で、統計的には不利です。

 

大化け銘柄TOP4の徹底分析

マーケット逆風下でも+50%を超えた4銘柄を分析します。

 

銘柄 リターン 業種 市場 RS変化
3449 テクノフレックス +191.6% 建設・資材 スタンダード 93 → 99
6387 サムコ +90.6% 機械 プライム 96 → 99
6336 石井表記 +77.4% 機械 スタンダード 89 → 98
3441 山王 +74.3% 建設・資材 スタンダード 88 → 98

 

💎 大化け4銘柄の共通点

  1. 配信時RSが88以上(80が最低条件のところ、全員が上位10%クラス)
  2. 評価時RSが98-99へ上昇(強い銘柄はさらに強くなった)
  3. 建設・資材/機械セクター(今回のマーケットで強いセクターに集中)

特にテクノフレックスは3ヶ月で株価が約3倍という異例のパフォーマンス。

配信時にRS 93と既に強い状態でしたが、そこから+191%上昇して評価時RS 99へ。まさに「強い銘柄はさらに強くなる」というレラティブストレングスの本質を体現した銘柄と言えます。

 

前回の学びは再現されたか|「RS96超え群は勝つ」の再検証

第1回で発見した最も重要なパターンは「配信時RSが96以上の銘柄群は、勝率46%・平均+4%で相対的に強い」という点でした。

今回もこの現象が起きているのか、検証します。

 

配信時RS 銘柄数 平均リターン 勝率 +20%達成率
80-85 28 -12.12% 17.9% 3.6%
86-90 20 -4.55% 20.0% 15.0%
91-95 23 -3.95% 17.4% 13.0%
96-100 10 +11.05% 60.0% 40.0%

 

✅ 前回の学びは再現された

・第1回(追い風下): RS96-100群 平均+4.05%・勝率46.2%
・第2回(逆風下): RS96-100群 平均+11.05%・勝率60.0%

逆風下の方が、むしろパターンが際立ちました。マーケットが弱い時ほど「本当に強い銘柄」と「弱い銘柄」の差が明確になる、という古典的な相場観がデータでも裏付けられた形です。

RS 96以上という条件は、市場全体の上位4%に相当します。

この閾値でスクリーニングすると、81銘柄から10銘柄に絞り込まれ、そのうち6銘柄が+0%以上、4銘柄が+20%以上を達成しました。均等買いの平均-5%と比較して、明確な差が生まれています。

 

業種別パフォーマンス|建設・機械が2回連続で強い

業種別の平均リターンを見ると、建設・資材(+24.6%)と機械(+17.9%)が突出していることが分かります。

業種 銘柄数 平均リターン
建設・資材 8 +24.61%
機械 7 +17.90%
自動車・輸送機 2 +15.82%
電機・精密 11 -6.01%
情報通信・サービスその他 14 -15.66%
金融(除く銀行) 4 -21.67%

 

大化けTOP4も全員が「建設・資材」または「機械」に属しており、業種選定が結果に直結しました。

これは前回コホートでも一部見られた傾向で、「時期的に強いセクターの中の強い銘柄」を掴めるかどうかが大化けの分かれ道になっています。

 

市場区分別|プライム持ちこたえ、スタンダード苦戦

市場区分 銘柄数 平均 中央値
プライム(内国株式) 18 +0.51% -9.04%
グロース(内国株式) 4 -0.29% +0.40%
スタンダード(内国株式) 49 -6.18% -16.22%

 

プライム市場は平均+0.51%と持ちこたえた一方、スタンダード市場は-6.18%と苦戦。日経平均+15〜31%の大型株ラリーの恩恵はプライム側に集中しやすく、スタンダードにいる中小型銘柄は市場環境の逆風を直接受けました。

逆に言えば、スタンダード市場にいながら+50%を叩き出した3銘柄(テクノフレックス・石井表記・山王)は、市場逆風を突き抜けた本物の強さを持っていたと言えます。

 

「弱った銘柄は早く切る」の重要性|RS変化と結末

配信時RSと評価時RSの変化(rs3 - rs0)で銘柄をグループ化すると、驚くほど明確な相関が見えます。

RS変化 銘柄数 平均リターン
0以上(RS上昇) 13 +48.68%
-20〜0 29 -4.64%
-40〜-20 24 -19.32%
-60〜-40 3 -23.52%
-60以下(RS暴落) 11 -34.09%

🎯 二極化のメッセージ

RS上昇群と暴落群の間には約80ポイントのリターン差があります。つまり、配信後もRSの推移を追いかけ、「弱くなり始めた銘柄は早めに切る」規律を守れば、リターンは劇的に変わります。配信時RSがどれだけ強くても、そこから-60ポイント以上下がった銘柄はほぼ確実に大負けしています。

これは損切りルールSEPAで語られる「規律のリスク管理」が、実データでも決定的に重要であることを示しています。

ワースト5の銘柄はいずれもRSが80台→10-30台へと大きく崩れており、シグナル的には配信後1〜2ヶ月で撤退判断ができる状況でした。

「握り続けるべきもの」と「早く切るべきもの」を見分けることこそ、機械的スクリーニングの結果を活かすカギです。

 

前回コホートとの比較サマリー 

指標 第1回(202602) 第2回(202603)
対象銘柄数 144 81
平均リターン -1.24% -5.07%
中央値 -11.13% -14.11%
勝率 31.2% 23.5%
+100%達成銘柄 4 1
グロース250(同期間) +6.84% -6.3%
RS96-100群 平均 +4.05% +11.05%
RS96-100群 勝率 46.2% 60.0%

 

全体としては第2回の方が厳しい結果でしたが、RS96超え群のパフォーマンスは第2回の方が明確に良いという興味深い結果に。

マーケット環境が悪い時ほど「本物の強さ」が際立ちやすいという構造が2コホート連続で確認できました。

 

6ヶ月後・12ヶ月後の再追跡予告

本記事の追跡は「3ヶ月後」時点ですが、シリーズでは6ヶ月後・12ヶ月後の再追跡も実施します。

  • 2026年09月頃: 202603コホートの6ヶ月後追跡を公開予定
  • 2027年03月頃: 202603コホートの12ヶ月後追跡を公開予定
  • 並行して、202604・202605コホートの3ヶ月後追跡も月次で公開

特に注目したいのは、3ヶ月時点で+50%を叩き出したテクノフレックス(+191.6%)が、その後さらに上昇を続けるのか、それとも反落するのかという点です。

オニールが提唱する「勝ち銘柄は握り続ける」戦略が実データでどう機能するか、継続追跡でお伝えします。

 

まとめ|シリーズ継続で見えてきた「機械の再現性」

💡 第1回・第2回で確認された共通パターン

  1. 「均等買い」は指数並みか劣後する。機械的スクリーニングだけでは統計的優位性は生まれない
  2. RS96以上の絞り込みは相場環境を問わず有効。第1回勝率46%・第2回勝率60%と再現された
  3. 時期的に強いセクターに大化けが集中。今回は建設・機械。前回も一部で同傾向
  4. 配信後のRS推移が結果を分ける。RS上昇群+48% vs 暴落群-34%と2倍以上のリターン差
  5. マーケット逆風下ほどパターンが際立つ。弱い相場が「本物」と「そうでない」を選別する

本サービスの週次レポートは、「候補銘柄の抽出」までを機械化しています。

しかし最終的な銘柄選定・エントリータイミング・撤退判断は、人間の目で行うことが前提です。追跡データが示すのは、その前提の重要性そのものです。

ご自身の投資判断の参考にしていただければ幸いです。次回の追跡レポート(202604コホート・8月公開予定)もぜひご期待ください。

 


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TAT

データを見てニヤニヤすることが趣味です。 プログラミング(Python)と株式投資が大好きです。 オニールとミネルヴィニの投資手法を日本株に適用して億り人を目指しています。 独自のプログラムを開発してデータの収集・銘柄選定をほぼほぼ自動化しています。 米国株はETFと高配当銘柄を中心として長期投資戦略をとっています。2024年からはグロース株も組み入れようと思っています。 プライベートでは2020年に台湾人女性と国際結婚し、2022年1月に第一子が誕生しました。 毎年台湾へ行きます。 よろしくお願いします。

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