『ミネルヴィニの成長株投資法』は、オニールの本と並んで僕の投資スタイルのバイブルになっている1冊です。
特にチャートパターンからのエントリータイミングの判断を劇的に改善してくれました。
今ではトレンドテンプレートの8条件を日本株に適用して毎週スクリーニングを回すところまで実践しています。
本記事では、この本の核心であるSEPA戦略の要点と、日本株で使ってみてわかったことをまとめます。
この本を一言でいうと
USインベスティングチャンピオンシップ優勝の実績を持つマーク・ミネルヴィニが、自身のトレード手法「SEPA(Specific Entry Point Analysis)」を体系的にまとめた本です。
オニールのCAN-SLIMと共通する部分が多いですが、特にエントリーポイントの絞り込みとリスク管理に関して、より具体的で実践的な内容になっています。
チャートから上昇局面にある可能性の高い銘柄をスクリーニングできるトレンドテンプレート、さらにエントリータイミングを判断するVCPは日本株に適用しても十分に通用します。
本の基本情報
| 書籍名 | ミネルヴィニの成長株投資法 ──高い先導株を買い、より高値で売り抜けろ |
|---|---|
| 著者 | マーク・ミネルヴィニ |
| 出版社 | パンローリング(ウィザードブックシリーズ) |
| ページ数 | 約400ページ弱 |
| 価格 | 約3,000円前後 |
| 難易度 | 中級(オニール本より読みやすい) |
本書の核心:SEPA戦略を要約する
SEPAは「ファンダメンタルが強い銘柄の中から、テクニカル的にリスクが最小化されたエントリーポイントを狙う」という戦略です。
具体的には、以下の要素で構成されています。
株価の4つのステージ
ミネルヴィニは株価は次の4つのステージからなると言っています。
| ステージ | 局面 | ミネルヴィニの判断 |
|---|---|---|
| 第1ステージ | 底固め | まだ買わない |
| 第2ステージ | 上昇局面 | ここだけを狙う |
| 第3ステージ | 天井圏 | 利確を検討 |
| 第4ステージ | 下落局面 | 絶対に買わない |
投資するべきタイミングは第2ステージの上昇局面です。
トレンドテンプレートの8条件
第2ステージにいる可能性の高い銘柄をスクリーニングするために、トレンドテンプレートが紹介されています。
トレンドテンプレートの条件は次のとおりです。
- 現在の株価が150日(30週)と200日(40週)の移動平均線を上回っている。
- 150日移動平均線は200日移動平均線を上回っている。
- 200日移動平均線は少なくとも1ヶ月上昇トレンドにある。
- 50日(10週)移動平均線は150日移動平均線と200日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は50日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は52週安値よりも、少なくとも30%高い。
- 現在の株価は52週高値から少なくとも25%以内にある。
- レラティブストレングスのランキングは70%以上、望ましくは80台か90台である。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
上記の条件を使えば、第2ステージ(上昇局面)にいる銘柄を機械的に判定することができるようになります。
📎 参考記事: ミネルヴィニのトレンドテンプレートを日本株に適用する
VCP(ボラティリティ収縮パターン)

ミネルヴィニが考案したVCPは、ボラティリティ収縮パターンと呼ばれ、ボラティリティが段階的に縮小し、最後にブレイクするチャートパターンを指します。
値幅が段階的に収縮していく場面で、適切に振るい落としがされ、売り圧力が下がっていきます。
さらに出来高も減少していくパターンが理想的で、エントリーポイントが発生する際には出来高がかなり減少していてわずかな買いが入れば株価が大きく上昇します。
📎 参考記事: VCP(ボラティリティ収縮パターン)とは?
実際に読んで特に参考になった3つのポイント
1. 「正しい買いポイント」の概念 — 底値ではなく適切な価格で買う
僕が投資を始めた頃、いろいろな投資本を読みましたが、ほとんどの本で書いている基本戦略は「安く買って高く売る」というものでした。
しかしミネルヴィニの投資手法は少し違って、「底値で買うのではなく、株価が大幅に上昇する直前の適切な価格で買う」というものでした。
これが個人的には結構衝撃的で、それまでの考え方を大きく覆されました。
実際、本を読んでいると内容にとても共感できたので、ミネルヴィニの投資手法を参考にすることを決めました。
2. リスク管理の具体性 — 買う前に損切りラインを決める
ミネルヴィニの投資手法においても、損切りの重要性はかなり高く捉えています。
基本的にはオニールのルールと近しくて、エントリーポイントから株価が7~8%下落したら損切りを推奨しています。
10%下落したら問答無用で損切りするべきとされています。
ミネルヴィニの投資手法では、オニールの手法よりも具体的にリスク/リワード比率を意識することが書かれています。
リスク/リワード比率とは、利益率と損失率の比です。
例えば、利益率が25%で損失率が10%だと、リスク/リワード比率は2.5になります。
基本的にはリスク/リワード比率が1を超えている必要があります。
ここからどれくらいの勝率を達成することができれば合計でプラスになるかも計算することができます。
例えば、リスク/リワード比率は2.5で、全てのエントリー金額が同じと仮定すると、仮に勝率が1勝2敗の33%でも、利益は25%、損失が10%が2回で20%となるので合計ではプラスを維持できることになります。
この損失の考え方はとても参考になりました。
僕自身、何度か大ダメージを喰らうまでは損切りを身につけることができませんでしたが、損切りの重要性を教えてくれたのは間違いなくミネルヴィニの本です。
3. 4つのステージの考え方 — 「買ってはいけない局面」が明確になった
株価が形成する4つのステージについて理解することも重要です。
どんなに業績が素晴らしい銘柄でも、第2ステージの上昇局面にいなければ大きな利益は期待できません。
第1ステージにいれば株価は動きませんし、第4ステージにいればむしろ損失を被ることになります。
エントリータイミングも大事ですが、株価が今どのステージにいるのかを把握することも同じくらい重要です。
シンプルにトレンドテンプレートを活用して投資候補銘柄を第2ステージにいる銘柄だけに絞るだけでも勝率は上がると思います。
オニール本との違い — どう使い分ける?
| 比較項目 | オニール | ミネルヴィニ |
|---|---|---|
| 核心コンセプト | CAN-SLIM(7条件) | SEPA(エントリー分析) |
| 重視する軸 | ファンダメンタル寄り | テクニカル寄り |
| チャートパターン | カップウィズハンドルが中心 | VCP(ボラティリティ収縮)が中心 |
| 損切りルール | 買値から7〜8% | エントリーからのリスク/リワード計算 |
| 市場判断 | ディストリビューション日数 | 第2ステージ銘柄数の推移 |
| 読みやすさ | 600ページ超、かなり重い | 400ページ、比較的読みやすい |
僕自身は、投資対象の絞り込みはオニールのCAN-SLIMとミネルヴィニのトレンドテンプレートをベースにして行います。
そして銘柄のエントリータイミングについては、ミネルヴィニのVCPとオニールのカップウィズハンドルを活用して判断することが多いです。
どちらかに絞るよりも、両方を組み合わせることで、ファンダメンタルとテクニカルの両面をカバーできます。
📎 参考記事: 『オニールの成長株発掘法』要約と感想
この本の内容を日本株で実践する方法
ステップ1:トレンドテンプレートで第2ステージ銘柄を見つける
本書を読んで最初にやりたくなるのは「今、第2ステージにいる銘柄はどれか?」を知ることだと思います。
本サイトでは、トレンドテンプレートの条件をプログラムで毎週自動スクリーニングし、 条件を満たした銘柄を無料で公開しています。
ステップ2:オニール銘柄と重ねて「業績もチャートも強い銘柄」を絞る
ミネルヴィニ自身も「ファンダメンタルが伴っていることが前提」と述べています。
本サイトのオニール銘柄(EPS/売上成長20%以上)とミネルヴィニ銘柄(トレンドテンプレート通過)の 両方に載っている銘柄は、本書の理想形に近い候補です。
ステップ3:日次レポートでブレイクの瞬間を捉える(有料)
会員プラン(月額880円)では、以下のデータで本書のSEPA戦略を日本株で実践できます。
- 日次レポート:52週高値更新銘柄、ブレイクアウト候補を毎日配信
- 新高値ブレイク銘柄:出来高を伴って新高値を更新した銘柄
- 週足チャートブレイク銘柄:週足レベルでパターンを抜けた銘柄
- 週次レポート:1週間を通して継続的に強かった銘柄の整理
VCPやカップウィズハンドルのブレイクを「データで捉える」仕組みです。
こんな人におすすめ / おすすめしない人
| おすすめな人 | おすすめしない人 |
|---|---|
|
基本的には、オニールの本「オニールの成長株発掘法」を読んだ後に読むのがおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q. オニール本とどっちを先に読むべき?
個人的にはオニールの本から読むことをおすすめします。
ミネルヴィニの本は、オニールの投資手法も参考にしている部分がたくさんあるので、先にオニールの投資手法を理解しておいて方が理解が早いです。
📎 参考記事: オニール本のレビュー → 『オニールの成長株発掘法』要約と感想
Q. 続編の『株式トレード 基本と原則』も読んだ方がいい?
ベースとなるのは、「ミネルヴィニの成長株投資法」になるので、まずはこちらから読んでみてください。
内容に納得感があって、尚且つ続編にも興味があれば続編も読んでみるといいと思います。
内容は重複する部分は多いですが、続編の方がより細かいチャートの見方を解説してくれています。
Q. トレンドテンプレートの条件を自分で計算するのは大変?
移動平均線の位置関係を手動で確認するのはかなり手間がかかります。
本サイトでは毎週プログラムで自動判定しているので、 ミネルヴィニ銘柄一覧を活用するのが効率的です。
Q. VCPのパターンは日本株でも機能する?
僕の経験としては、VCPは日本株でも十分に通用すると思います。
日本株でもVCPが現れることはあります。ただ出来高については米国株ほどきれいに出ないことが多いかなという印象です。
それでもVCPっぽい動きをしている銘柄は結構見つかるので、日本株でも十分に利用できるものだと思います。
📎 参考記事: VCPの詳細 → VCP(ボラティリティ収縮パターン)とは?
まとめ
『ミネルヴィニの成長株投資法』は、「何を買うか」だけでなく「いつ買うか」を体系的に教えてくれる本です。
オニールの本と組み合わせることで、ファンダメンタルとテクニカルの両面から銘柄を評価できるようになります。
本サイトでは、この本のトレンドテンプレートを日本株に適用したスクリーニング結果を毎週更新しています。
本を読んだ方は、ぜひデータと照らし合わせながら実践してみてください。
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