トレンドテンプレートは、成長株投資の世界的権威であるマーク・ミネルヴィニが考案した銘柄スクリーニング手法です。
株価が上昇局面(第2ステージ)にある銘柄を、8つのテクニカル条件で効率的に絞り込むことができます。
本記事では、トレンドテンプレートの基本から8つの条件の詳細、そして日本株に適用する具体的な方法までを解説します。
本サイトでは、独自プログラムで毎週トレンドテンプレートを日本株に適用したスクリーニング結果を公開しています。
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トレンドテンプレートの概要|なぜ「買うタイミング」が重要なのか
成長株投資で利益を上げるためには、「何を買うか」だけでなく「いつ買うか」が極めて重要です。
ミネルヴィニは著書の中で、どれほど優れた企業であっても、株価が下落局面にあるタイミングで買ってしまえば大きな損失につながると繰り返し強調しています。
トレンドテンプレートは、この「いつ買うか」の判断を体系化したものです。
移動平均線と株価の位置関係を使って、今まさに上昇トレンドにある銘柄だけをフィルタリングします。
株価の4つのステージ|トレンドテンプレートの前提知識

トレンドテンプレートを理解するうえで欠かせないのが、ミネルヴィニが提唱する株価の4つのステージです。
- 第1ステージ:底固め局面 無関心
- 第2ステージ:上昇局面 機関投資家の買い集め
- 第3ステージ:天井圏 機関投資家の売り抜け
- 第4ステージ:下落局面 投げ売り
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
第1ステージ:底固め局面(無関心)
長期間にわたって株価が横ばいで推移する局面です。
出来高も少なく、市場から注目されていません。
ステージ判定に役立つ出来高パターンの読み方は「出来高の見方|株価ブレイクの本物とだましを見抜く」で解説しています。
業績が良くても株価はほとんど動かないことが特徴です。
第2ステージ:上昇局面(機関投資家の買い集め)
ミネルヴィニが「ここで買え」と言うステージです。
機関投資家が静かに買い集めを行い、株価が移動平均線を上回って上昇トレンドに入ります。
大きな利益を生むのは、ほぼこの第2ステージにある銘柄です。
第3ステージ:天井圏(機関投資家の売り抜け)
上昇が鈍化し、株価が大きく乱高下する局面です。
出来高を伴う急落が見られることがあります。
機関投資家が利益確定を行っています。
第4ステージ:下落局面(投げ売り)
移動平均線を下回って株価が本格的に下落する局面です。
ここで買い向かうのはナンピンと同じで、大きな損失の原因になります。
トレンドテンプレートは、この4つのステージのうち「第2ステージにいる銘柄」を判定するためのツールです。
📘 関連記事:
- 各ステージの詳しい特徴と見分け方は株価のステージ分析で解説しています。
- 各ステージの詳しい見分け方と判定チェックリストは「株価のステージ分析|今の銘柄が上昇局面かどうか判断する方法」で解説しています。
トレンドテンプレートの8つの条件を解説
ミネルヴィニが著書で示しているトレンドテンプレートの条件は以下の8つです。
- 現在の株価が150日(30週)と200日(40週)の移動平均線を上回っている。
- 150日移動平均線は200日移動平均線を上回っている。
- 200日移動平均線は少なくとも1ヶ月上昇トレンドにある。
- 50日(10週)移動平均線は150日移動平均線と200日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は50日移動平均線を上回っている。
- 現在の株価は52週安値よりも、少なくとも30%高い。
- 現在の株価は52週高値から少なくとも25%以内にある。
- レラティブストレングスのランキングは70%以上、望ましくは80台か90台である。
「ミネルヴィニの成長株投資法」より
条件①:株価が150日・200日移動平均線を上回っている
現在の株価が150日(30週)移動平均線と200日(40週)移動平均線の両方を上回っていること。
これは上昇トレンドの最も基本的な条件です。
条件②:150日移動平均線が200日移動平均線を上回っている
短期の移動平均線が長期の移動平均線より上にあること。
移動平均線の「正しい並び順」(パーフェクトオーダーの一部)が成立している状態です。
条件③:200日移動平均線が少なくとも1ヶ月上昇トレンドにある
200日移動平均線自体が上向きであること。
直近1ヶ月にわたって上昇を続けていることで、中長期のトレンドが上向きであることを確認します。
条件④:50日移動平均線が150日・200日移動平均線を上回っている
50日(10週)移動平均線が、150日と200日の両方の移動平均線を上回っていること。
短期トレンドの強さを示します。
条件⑤:株価が50日移動平均線を上回っている
短期的にも株価が移動平均線の上にあること。
直近の値動きが強いことの確認です。
条件⑥:株価が52週安値から30%以上高い
現在の株価が過去1年間の安値から少なくとも30%上昇していること。
底値圏の銘柄を排除するフィルターです。
条件⑦:株価が52週高値の25%以内にある
現在の株価が過去1年間の高値から25%以内の位置にあること。
高値圏で推移している=強い銘柄であることを意味します。
条件⑧:レラティブストレングスが70以上
IBD(Investor's Business Daily)のレラティブストレングス指標で70以上、理想的には80〜90台であること。
市場全体と比較して相対的に強い銘柄であることを示します。
これら8つの条件を全て満たす銘柄は、第2ステージの上昇局面にある可能性が高いと判断できます。
日本株にトレンドテンプレートを適用する方法
トレンドテンプレートは本来、米国株向けに設計されたものです。
しかし、移動平均線と株価の位置関係というテクニカルな条件がベースなので、日本株にもそのまま適用できます。
ただし、いくつか日本株特有の対応が必要です。
本サイトの独自プログラムについて
本サイトでは、トレンドテンプレートの条件をプログラム(Python)で自動判定しています。
日足データと週足データの両方を考慮し、いずれか一方でも条件を満たしていればOKとするロジックを採用しています。具体的な判定ロジックは以下のとおりです。
トレンドテンプレートの判定条件
- 現在の株価が150日(30週)と200日(40週)の移動平均線を上回っている。
→ 直近終値 > SMA150 or 直近終値 > SMA40 - 150日移動平均線は200日移動平均線を上回っている。
→ SMA150 > SMA200 or SMA30 > SMA40 - 200日移動平均線は少なくとも1ヶ月上昇トレンドにある。
→ SMA200の過去21日間の平均値 > 21日前のSMA200 or SMA40の過去4週間の平均値 > 4週前のSMA40 - 50日(10週)移動平均線は150日移動平均線と200日移動平均線を上回っている。
→ (SMA50 > SMA150 & SMA50 > SMA200) or (SMA10 > SMA30 & SMA10 > SMA40) - 現在の株価は50日移動平均線を上回っている。
→ 直近終値 > SMA50 or 直近終値 > SMA10 - 現在の株価は52週安値よりも、少なくとも30%高い。
→ 直近終値 > 52週高値 * 1.3 - 現在の株価は52週高値から少なくとも25%以内にある。
→ 直近終値 * 1.25 > 52週高値 - レラティブストレングスのランキングは70%以上、望ましくは80台か90台である。
→ 考慮しない
条件1〜7を全て満たす銘柄を「ミネルヴィニ銘柄」として抽出しています。
レラティブストレングス(条件8)の扱い
条件8のレラティブストレングスは、IBDという米国の有料サービスで提供される指標です。
日本株のデータは提供されていないため、本サイトでは独自の計算ロジックでレラティブストレングスを算出しています。
レラティブストレングスの詳細な解説と計算方法については、以下の記事で解説しています。
→ レラティブストレングスを日本株で使う方法|計算・見方・実戦ルーティンまで
【無料公開】スクリーニング結果を毎週更新中
トレンドテンプレートのスクリーニング結果は、「ミネルヴィニ銘柄」として本サイトで毎週土曜日に無料公開しています。
プログラムを毎週走らせて結果を更新しており、各銘柄には登録日も記載しているので、いつトレンドテンプレートの条件を満たしたのかも確認できます。
トレンドテンプレートを含む成長株スクリーニングの全体像は「成長株の見つけ方|スクリーニング完全ガイド」で3つの軸に分けて解説しています。
無料版と有料版の違い|限定記事で得られるデータ
無料の「ミネルヴィニ銘柄」では、トレンドテンプレートの条件1〜7を満たす銘柄の一覧を確認できます。
しかし、実際の投資判断にはこれだけでは不十分です。
トレンドテンプレートはあくまで「上昇トレンドにある銘柄」を絞り込むフィルターであり、そこからさらに業績(EPS成長率、売上高成長率)やレラティブストレングスなどの条件を重ねることで、精度の高い銘柄選定が可能になります。
本サイトの限定記事(月額880円)では、以下のデータを提供しています:
- 日次/週次レポート:オニール&ミネルヴィニの手法に基づいてスクリーニングした銘柄の業績データ・チャート分析を更新
- レラティブストレングス付きのスクリーニング銘柄:独自計算のRS指標を含む57カラムのExcelデータ(毎週更新)
- 新高値ブレイク銘柄:52週高値を更新した注目銘柄を毎日配信
- 52週高値更新銘柄一覧:高値を更新した全銘柄のデータ
- 週足チャートのブレイク銘柄:週足ベースでの重要なブレイクアウト銘柄
毎日の銘柄探しにかかる時間を大幅に短縮し、「伸びる可能性の高い銘柄」に集中できるようになります。
よくある質問(FAQ)
Q. トレンドテンプレートは初心者でも使えますか?
条件自体はシンプルで、移動平均線と株価の位置関係を見るだけです。ただし手動で全銘柄をチェックするのは現実的ではないため、本サイトのスクリーニング結果を活用するのが効率的です。
Q. トレンドテンプレートを満たす銘柄は必ず上がりますか?
いいえ。トレンドテンプレートは「上昇トレンドにある可能性が高い」銘柄を選別するものであり、将来の株価上昇を保証するものではありません。損切りルールの設定やファンダメンタル分析との組み合わせが重要です。
Q. 米国株と日本株で使い方に違いはありますか?
基本的な条件は同じです。ただし条件8のレラティブストレングスはIBDが日本株に対応していないため、本サイトでは独自ロジックで計算しています。
Q. スクリーニング結果はどのくらいの頻度で更新されますか?
無料の「ミネルヴィニ銘柄」は毎週土曜日に更新します。限定記事の日次レポートは毎日更新しています。
まとめ
ミネルヴィニのトレンドテンプレートは、移動平均線と株価の位置関係をベースに、第2ステージ(上昇局面)にある銘柄を効率的に見つけ出すスクリーニング手法です。
本サイトでは独自のプログラムを開発し、日本株全銘柄にトレンドテンプレートを適用した結果を毎週無料公開しています。まずは「ミネルヴィニ銘柄」をご活用ください。
さらに、レラティブストレングスやEPS成長率などを組み合わせたより精度の高いスクリーニングデータは、限定記事で提供しています。月額880円で日次レポート・週次レポート含む全データにアクセスできます。
📎 参考記事: 成長株の見つけ方 完全ガイド
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- CAN-SLIMとトレンドテンプレートの違いと組み合わせ方は「オニール vs ミネルヴィニ」で7つの視点から比較しています。
